活動レポート

日立グループ5社が「がんアライアワード2022」ゴールドを受賞。両立支援の取り組みを横展開できる理由とは?/パネルディスカッションレポート

日立グループ5社が「がんアライアワード2022」ゴールドを受賞。両立支援の取り組みを横展開できる理由とは?/パネルディスカッションレポート

2022年12月7日、「がんアライアワード2022」表彰式をオンラインで行いました。その中で行われたパネルディスカッションの内容をご紹介します。

 

登壇者はゴールドを受賞した日立システムズの矢野さん。モデレータはがんアライ部発起人の武田雅子が務めました。

 

日立グループは、本社の日立システムズの他、九州日立システムズ四国日立システムズ日立システムズエンジニアリングサービス日立システムズフィールドサービスと、合計5社ががんアライアワードに応募し、5社ともゴールドを受賞しています。

 

なぜ両立支援の取り組みを横展開できているのか。その理由を聞きました。

 

<プロフィール>

株式会社日立システムズ 人事総務本部 ダイバーシティ&エンゲージメント推進室 矢野さん

>>取り組み内容はこちら

 

モデレータ:がんアライ部発起人/カルビー株式会社 常務執行役員 CHRO 兼 人事総務本部長(当時) 武田雅子

グループ各社の根っこにある共通の想い

 

武田:日立グループさんは応募いただいた全企業がゴールドを受賞しています。規模が大きい企業で、なぜこれだけ足並みがそろっているのだろうと審査員の中で話題になりました。

 

まずは今回の受賞について、矢野さんの感想を伺えますか?

 

矢野:「どうしたら今年もゴールドをいただけるだろう」と毎年頭を悩ませています。1ミリでもいいから前に進みたい気持ちはあるので、一緒に取り組んでくれるグループ各社の仲間と、ダイバーシティや健康経営など、それぞれの視点で意見交換をしながら案を出し、少しずつ進めてきました。

 

武田:グループ各社で話をする機会があるのですね。どういう場が設けられているのでしょうか?

 

矢野:半年に1回ほどのペースで、さまざまなテーマごとに各社の活動内容を話す場があります。そこで人事担当者や保健師同士で話し合い、施策を企画するなどしています。

 

その際、がんアライアワードがあることで、具体的な話もしやすくなったと感じています。

武田:最近、各社から共通して出てくる話題は何かありますか?

 

矢野:「健康やがんに関して、関心がある人とそうでもない人との差が激しい」というのは各社共通の課題ですね。

 

関心がある人はセミナーを受けるなど積極的に情報を集め、きちんと健康診断を受け、日頃の生活を見直すことをしていますが、関心がない人は「自分には関係がない」となってしまう。その差が大きくなっているのを感じています。

 

武田:お話を聞いていて、「親会社がこうだから」といったことではなく、グループ各社がフラットにお話をしているのかなという印象を受けました。それはグループの風土なのでしょうか?

矢野:そうだと思います。

武田:グループ会社へ横展開することが難しい企業も少なくないと思います。日立システムズができるのは、なぜだと思いますか?

 

矢野:根っこには「病気になっても安心してみんなに働き続けてほしい」という気持ちが共通してあるのだと思います。

 

施策ややり方は企業ごとに異なりますが、ベースの部分でつながっているから、うまく良いとこ取りをしながら連携できているのかもしれません。

武田:日立システムズがグループ会社の施策を取り入れたことはありますか?

 

矢野:がんに罹患した従業員の体験談を聞く、小さな会を行っている会社があるのですが、それはぜひ当社でも取り入れたいと思っています。

 

病気のことはセンシティブですから、「話してください」と声をかけにくいところはありますし、「私が話します」と言い出しにくい部分もありますが、体験談をシェアすることで「実は私もがんを経験しました」と教えてくれる人も出てきていると聞いています。

 

良い効果が出ているなら、うちでも勇気を持ってやってみた方がいいなと思っているところです。

基本となるメッセージは「病気は早く見つけて、早く治療しよう」

 

武田:矢野さんは、グループ各社と一緒に取り組むシナジーをどのように感じていますか?

 

矢野:同じ思いを持ち、取り組みを行う人が全国にいるのはとても心強いですね。相談がしやすいですし、施策も効率良く展開できます。

 

また、例えばセミナーをグループ会社と一緒にやれば、社員同士の交流の機会もつくれます。そういった点はメリットだと感じていますね。

 

武田:各社が単体で行う施策と、共同で行う施策の両方があると思いますが、そこの使い分けはどのようにしているのですか?

 

矢野:例えば、がんの早期発見、早期治療の大切さや、検診の重要性は各社共通の内容です。そういうものは共同で行っています。

 

一方、もっと的を絞った施策は、会社ごとに課題も異なりますので、各社が単体で行っていますね。

 

武田:各社が同じことをするだけではなく、それぞれが自社にフィットするやり方を追求しているのがすばらしいですね。

 

矢野:ありがとうございます。本社から発信があったから仕方なくやるのではなく、「がんアライアワードっていうものがあるのか。それならうちでもやってみよう」といった、前向きな姿勢が良い方向に作用しているのではと思います。

武田:「やってみよう」というノリの良さはどこから来るのだと思いますか?

 

矢野:多分、私が大したことをしていないからだと思います。「矢野にもできるなら私もできるだろう」っていう。

武田:すばらしい回答ですけど、他に絶対何かあるはずですから、私は納得しないですよ(笑)

 

矢野:本当に難しいことはやっていないんですよ。「病気は早く見つけて、早く治療しよう」という、基本はそれだけですから。

 

健康診断で何か引っかかったのならちゃんと調べて、ちゃんと治す。そして、一緒に働きましょう。本当に、それだけですよ。特別なことを意識しているわけではないんです。

 

武田:シンプルゆえに、きちんとメッセージとしてブレずにグループ各社の現場にまで伝わっているのではと感じました。

 

正しいけれど難しいことは、なかなか伝わっていかないじゃないですか。皆さんの人事としてのシンプルな想いがあるからこそ、みんなも安心してそこに乗ることができるのかなと。

 

大切なのは「何をするか」より「どのような想いでするか」

 

武田:今後についてはいかがでしょう?矢野さんご自身の野望にも興味があります。

 

矢野:私の野望は、誰一人取り残さないD&Iの推進です。病気の方も、元気な方も、みんなが楽しく会社で過ごしてもらえる組織をつくりたいと思っています。

 

武田:その際、がんアライアワードはどのように活用できそうですか?

 

矢野:アワードは社外からの評価です。だからこそ、「うちってそんなにすごい会社なの?」と社員が興味を持ってくれます。

 

そうすると、「何をやって受賞したのか」が気になりますから、それが当社の制度や「みんなが病気になっても安心して働ける」というメッセージを発信する機会にもなります。

 

それはとてもありがたいですね。「こういう制度があります」と人事が言っても、なかなか聞いてもらえませんから。

武田:分かります。多くの人事が悩んでいることですよね。

 

今後について、検討中の施策はありますか?

矢野:2022年、健康経営チームが時間をかけて準備してきた診療所が、本社の近くに開設されました。

 

外部の病院と提携し、オンライン診療を受けることもできます。勤務地に関わらず、全国どこにいても健康への不安や不調について、病院を受診できるようになりました。

 

これまでは忙しさを理由に病院に行かない社員もいましたが、これからはすぐに行けるようになります。たくさんの人に活用してもらえるよう、広げていきたいですね。

 

武田:強力な武器が手に入りますね。

 

最後になりますが、今後がんアライアワードでゴールド受賞を目指したい企業の皆さんに向けて、メッセージをいただけますか?

矢野:「何をするか」よりも、「どのような想いでするか」が大切で、その想いをきちんと皆さんに伝えることが重要です。それをきちんとやっていくと、自然と仲間ができ、活動が大きくなっていくと思います。

 

これからもがんアライ部の皆さんと一緒に刺激し合い、励まし合いながら、息の長い取り組みができるといいなと思います。

 

>>「がんアライアワード 2022」受賞企業と事例集はこちら

 

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