がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2022 ゴールド】株式会社四国日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2022 ゴールド】株式会社四国日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2022に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:株式会社四国日立システムズ

業種:システム構築事業、システム運用・監視・保守事業、ネットワークサービス事業、情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発

従業員数:  270名(2022年3月31日現在)

https://www.shikoku-hitachi-systems.co.jp/

取り組みのきっかけ

 

近年、がんと共存することが珍しくない時代となり、がんに罹患しても安心して働きつづけられる環境整備を検討していたところ、当社親会社「㈱日立システムズ」の熱心な取り組みに共感し、連携を開始。

 

まずはセミナーで実体験談をお話しいただける講師の方をご紹介いただき、がんの早期発見・早期治療の大切さ、がんに罹患しても安心して働きつづけられる制度やサポート体制等伝えることで、従業員への意識付けの場を設けたことがきっかけ。

 

風土づくり

 

◆日立グループのがん経験者による「がんと就労を考える:がん予防と早期発見セミナー」を2018年より、四国4県にて開催。これまでに約60名が参加している。検診・発見から治療・仕事の両立に至るまでの実体験談や、治療と仕事を両立する上で、実際に利用した制度・工夫点などを伝えることで、自分や家族の健康について考えていただく機会としている。

 

・講話後は、受講者同士で感想や疑問点、がんになっても安心して働き続けられる職場づくりについてシェアし、グループごとに発表の場を設けたり、セミナーの様子を社内イントラネットに掲載することで、全従業員へがんに対する意識啓発を図っている。

 

・2021年度は「禁煙セミナー」・「乳がんセミナー」をオンラインで開催し、「乳がんセミナー」については、家族と一緒に視聴できるよう開催時間を定時後に設定。また、各種セミナーのアーカイブ動画を公開し、セミナーに参加できなかった方が視聴できるようにすることで、自分や家族の健康について考える機会を作った。

 

◆毎年3月の人間ドック申込み時期に合わせ、35歳以上の全社員に対して、がん検診メニューと補助金申請方法等を案内する通知メールを発信。検診受診率の向上をめざしている。

 

・併せて人事・総務スタッフからは、がんに罹患したときに使える会社制度や、がん検診メニューと補助金制度、仕事と治療の両立支援サポート体制等の説明を行い、がんに罹患しても相談しやすい風土づくりをめざしている。

 

◆『全国労働衛生週間』にあわせ、がんをはじめ、健康について考えてもらうきっかけとなるよう、健康教育(健康関連教育~健康を保つために~)を実施した。実施後に理解度と行動変容を促すための意識調査をFormsにて実施し、健康意識の向上を図った。

 

相談できる環境づくり

 

◆「本人」「所属上長」「産業医」「保健師」「人事・総務スタッフ」が一体となり、個々人の治療状況に応じて職場復帰から復帰後のフォローアップまでをサポートする体制を立ち上げ、社内ホームページやセミナー等を通じて全従業員へ周知している。

 

◆がん治療をしている社員への勤務上の配慮検討のために必要な情報は、社内保健スタッフが主治医と情報連携し、配慮検討に必要な情報展開を会社側(人事・総務スタッフ)に行っている。

 

◆がんの治療状況別に、「治療と仕事の両立支援制度」を整理して一覧表に纏め、本人が所属上長に相談する際や、産業医・保健師・人事・総務スタッフが両立支援サポートを実施する際に、この一覧表を見ながら会話することで、相談しやすい環境づくりや、スムーズなサポートができるようにしている。

 

◆従業員が生き生きと活力を持って働けるよう、部長以上の皆さんに何でも相談しやすい環境を作るための宣言をしてもらい、顔写真とあわせて「四国いきいき宣言」として社内イントラネットに掲載した。

 

制度

 

◆人間ドック時のオプションとして各種がん検診の受診を推奨しており、従業員とその家族を対象に、健康保険組合から補助金を支給している。

 

◆仕事と治療の両立支援として、フレックス勤務、時間単位年休、時差出勤等の柔軟な勤務・休暇制度あり。2021年度からは、働きながら治療を続けるニーズが高まっていることを受け、がん治療他を対象とした「治療勤務制度取扱規則」を新たに制定し、治療の際の短時間勤務や在宅勤務を利用可能とした。

 

◆実際にがんに罹患し、治療を継続しながら職場復帰される方については、「職場復帰支援プログラム」を立ち上げ、通勤訓練や慣らし勤務(時短勤務)等、個人の治療方法や体調に合わせて柔軟に対応し、完全復帰をめざすよう配慮している。

 

・また、「働き方ハンドブック」を社内イントラネットに掲載。従業員が利用できる制度等を、いつでも閲覧できるようにしている。

 

◆2017年度より、「働き方改革」「健康経営」「ダイバーシティ」「コミュニケーション」の4つの項目を統合的に進め、中長期的な発展と業績向上をめざすべく、企業活力向上活動『四国S3(エスキューブ※)活動』を発足。各部門に推進役を設け、現場の生の声を吸い上げる体制を作ることで、働きやすく、相談しやすい環境づくりに努めている。(※Sの3乗『Smart(活発に活動し)』『Satisfaction(皆を満足させ)』『Smile(皆を笑顔に)』)

 

◆2020年12月より、遠隔禁煙プログラムを導入。電話・タブレット端末を使用し、遠隔により病院に行かずに禁煙外来を受診できる禁煙プログラムで、全額会社負担(一部健康組合負担)で実施している。

 

◆2021年度より、保健師による全従業員個別面談を実施。時間をかけて従業員一人ひとりの話を聞き、個別の健康状態や悩みを把握することにより、問題の早期発見・予防に努め、何事も相談しやすい職場づくりを心掛けている。

 

◆定期健康診断やがん検診で、精密検査の指示を受けた社員には、保健師が個別にフォローしている。

 

・また、管理職研修や安全衛生委員会の中で、保健師から健康に関する情報発信を行うなど、頻回に保健師の活動を周知することで、がんに限らず、気になることや困ったことがあるときには、保健師に相談しやすい風土づくりをすすめている。

 

◆2022年4月より、治療のための短日数勤務制度を導入。(原則として、1週4日。会社が認めた場合は、1週3日とすることも可能。)仕事と治療の両立支援を強化した。

 

その他の取り組みやエピソード

 

◆当社親会社の「㈱日立システムズ」が、がんアライ部アワードで4年連続「ゴールド」賞を受賞。がんと就労に関するセミナー開催や、職場理解を深めるための施策を活発に行っていることに共感し、親会社との連携を密にして、当社でも活動を取り入れている。

 

◆LGBTをはじめ、障がい者や病気治療中の方が、必要なときに相談しやすい風土づくりとして、 当社オリジナルの「ALLYステッカー」を作成し、賛同者に配布。PCや携帯電話に貼ることで、ALLYの浸透と見える化を促進。

 

◆在宅勤務中でも当事者が不安にならないよう、社内イントラ上に「治療と仕事の両立支援」 ホームページを開設して関連情報を掲載するとともに、パソコン起動時のポップアップメッセージやメールマガジン等を利用して、プッシュ型の情報発信をおこなっている。

 

・また、各執務室にデジタルサイネージを設置し、健康についてのプチ情報(生活習慣病予防策、 コロナ対策等)を随時発信し、従業員がいつでも新しい情報を得られるよう、気づきの機会を提供している。

 

◆がんについて考えるきっかけとなるよう、がんアライアワード受賞について社外ホームページに掲載し、社内でも情報を共有している。

 

◆実際、何名かの従業員ががんに罹患し、職場復帰することに不安を抱いていたが、安心して働ける制度やサポート体制をお伝えし、いつでも社内保健スタッフと相談できる関係を保ちながら、問題なく就労を続けている。

 

抱負

 

・セミナーや講演会を通して、自身や家族の健康について、改めて考える機会を定期的に提供し続ける。

 

・日立グループのがん経験者による座談会レポートのPRを行い、がん罹患者とその家族に向けて、治療の事や、家庭と仕事との両立、早期発見に向けた検診の重要性などを伝えていく。

 

 講評・コメント

 

・がんをはじめ、健康について考えてもらうきっかけとなるように、健康教育を実施されています。

 

・治療のための短日数勤務制度を導入し、仕事と治療の両立がしやすい制度づくりを推進されています。

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