活動レポート

【事例発表レポート】「がんアライアワード2020」受賞企業の花王・iCAREが取り組む、がんと就労の両立支援

【事例発表レポート】「がんアライアワード2020」受賞企業の花王・iCAREが取り組む、がんと就労の両立支援

12月2日、「がんアライアワード2020」表彰式をオンラインで開催しました。当日は受賞企業30社の中から、ゴールドを受賞した花王株式会社と、シルバーを受賞した株式会社iCAREが代表講演を実施。

 

本記事ではその様子をご紹介します。

「健康は社会の財産」花王の経営トップのメッセージ

 

花王の講演に登壇した山口さんは、自身ががんに罹患し、半年間の休職をした体験を持ちます。その体験を生かし、社内外に向けて「仕事と治療の両立」に関する取り組みを提案できないかと考えるように。

 

「がんに限らず、さまざまな疾病や障害、さらにいえば女性の社会進出も含め、どんな人でも働きやすいダイバーシティ&インクルージョンの実現は日本企業にとって大きな課題です。多様な人材がいるからこそ、いろいろな意見が出て、より高い成果が出せる。それがこれからの組織戦略なのだと考えています」

 

花王は、生活に密着した身近な商品を提供する企業。社内でも、がんと就労の両立をサポートする制度を用意しています。そのベースとなる、花王の健康宣言がこちら。

 

私たちは、日々いきいきと健康づくりに取り組みすこやかで心豊かな生活の実現をはかるとともに元気で活力ある職場を通しお客さまとともに感動する社会を目指します。

 

2008年には健康宣言についてまとめた冊子をグループ全社、全社員に配布。経営トップが「健康は社会の財産」と位置付け、一人一人のヘルスリテラシーを高めることを目標に、施策を実施しています。具体的には、生活習慣病、メンタルヘルス、禁煙、がん、女性の健康への取り組みを中心に、健康づくりの活動を推進。

 

 

「がんについては早期発見と早期治療のために、健康診断にがんの診断項目を用意しています。若年層のがん検診も推奨していますし、健康診断結果を受けて、2次検査の受診を勧めることも行なっています」

 

そのほか、がんの早期発見を促進する取り組みや、がん教育の支援活動も実施。

 

「毎年10月のピンクリボン月間には、2007年より早期発見プロジェクトとして、ピンクリボンキャンペーンを実施しています。社内においても、乳がんや子宮頸がんの講演会を実施し、がんの早期発見のためのセルフチェック方法を学んでいます。

 

近年は『ピンクリボンアドバイザー』というがん教育プロジェクトを支援したり、生理用品ブランド『ロリエ』など、一部の商品の売り上げを女性の健康を支える活動に寄付したりと、がん教育の活動支援もしています」

 

がんに罹患した場合であっても、働きながら治療をするための制度を用意。有給の死傷病特別休暇のほか、月単位でフレックスタイム制を導入。年次有給休暇も時間単位で取得ができるため、体調や通院の状況に合わせた柔軟な働き方が可能になっています。

 

 

職場復帰の面では、職場復帰ガイドラインを作成し、復帰に向けて本人はもちろん、上長が気をつけるべきことなど、人事や産業医、看護職の方と確認し合いながら進める体制を整備。

 

「非常に高いレベルでの配慮が考えられていますが、急にがんだとわかって本人が戸惑ったり、上司の経験値が少ないことで困惑したりするケースも多いと思います。社内のピアサポートや社外のコミュニティも含めて、がん罹患者や対応する周りの人が疎外感を持たないようなソフト面での必要性も感じています」

 

現在、社会のコミュニティなどのつながりとして、2004年からスタートした『ハートポケットクラブ』という制度があります。社会的支援をしたいという目的で社員が集まったクラブ組織で、クラブの趣旨に賛同する社員が会員となり、毎月の給与から任意の金額を積み立てて社会課題の解決に取り組む団体に寄付をしています。

 

寄付を通じて活動に関わることもあれば、逆に自分がお世話になることも。「リアルなつながりと継続的な応援がとても重要」と山口さんは続けます。

 

 

「これまでがんや脱毛症の子どもにウィッグを送っているヘアドネーションの団体に、夏休みの親子イベントでお手伝いをさせていただいたり、手洗いを啓蒙するための教室をキャンサーペアレンツの西口さんと一緒に行ったりしました。また、『CancerX Summit2020』にも、多くの方と情報交換をし、つながる場所として協賛させていただいています」

 

>>【がんアライアワード2020 ゴールド】花王株式会社の「がんと就労」施策

 

「社会の健康」をつくるiCAREの取り組み

 

iCAREは「働く人と組織の健康をつくる」というミッションを掲げ、健康診断やストレスチェック、過重労働など、従業員の健康データを一元管理できるサービスを提供しています。

 

「もちろん自社のスタッフに対しても、安心して存分に力が発揮できる環境づくりを行っている」と佐川さん。年次有給休暇にプラスして『Self-Care Day』と『Cill-Out Day』という独自の制度を用意しています。

 

 

「『Self-Care Day』はその名の通り、セルフケアのための有給休暇。休養や通院などに利用でき、体調に違和感を持った段階で早期に適切なケアを行うことで、より健康的に仕事に向き合うことができます。スタッフ自身の体調管理だけでなく、家族の体調不良時にも利用可能です」

 

「『Cill-Out Day』はいわゆるリフレッシュ休暇で、有給休暇とは別に取得できます。まだまだ有給を消化することへのハードルが高く、取得率が上がらない中で、目的を明確にした休暇を周知することによって、安心してお休みが取れる風土づくりに貢献しています」

 

風土を確立させるための一つとして、チャットツール『Slack』に勤怠連絡のチャネルを用意。

 

「全員が見られる場所で報告をすることで、人事や他部署の人も状況が把握しやすくなります。体調不良でお休みをした翌日出勤した際に『体調は大丈夫?』というコミュニケーションが発生するなど、お互いに気を遣い合う空気ができたと感じています。また、スタンプがたくさん付くことで、安心してお休みできる雰囲気ができ、全体の心理的安全性を高めることに貢献しているように思っています」

 

 

ほかに、社員の健康状況を把握するための取り組みも実施。法律で年に1回義務付けられているストレスチェックを月に1回行うことで、人事や専門スタッフはもちろん、自分自身のメンタルや体調の変化に気付く機会にもなっているのだとか。

 

また、相談しやすい環境を整えるために、社内には看護師や保健師など、専門的な資格を持ったメディカルスタッフが多数在籍。

 

「面談形式で相談ができる『ウェルネスセンター』や、チャットで相談できる窓口も設けています。それとは別に、直属の上長との1on1ミーティングも週1回必ず実施。上司が部下に指摘やダメ出しをするのではなく、部下からの仕事の相談や振り返りをする時間になっています。病気に罹患したり精神的につらくなってしまったりした時に、相談のハードルを下げる効果もあると考えています」

 

このように、制度と風土づくりの両面から積極的に働きやすい環境づくりに取り組む同社。現状、がんに罹患した社員はいないものの、「今まで通りに仕事を続けられなくなる可能性は誰にもある」と佐川さん。

 

「iCAREは、企業の健康づくりのサポートをする会社です。私たちの考える健康とは、身体的な健康ではなく、メンタルや社会的に見たときの広い意味での健康。誰よりも社会が健康であってほしいと思っている私たちが健康であるために、自分や他のメンバーが病気になったときに、全力でサポートできる体制やカルチャーづくりにこれからも貢献していきます」

 

>>【がんアライアワード2020 シルバー】株式会社iCAREの「がんと就労」施策

 

>>「がんアライアワード 2020」受賞企業の事例集はこちら

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