活動レポート

がんアライアワード2023 ベストプラクティス受賞・大鵬薬品の3つの健康経営施策 - がんアライ部

がんアライアワード2023 ベストプラクティス受賞・大鵬薬品の3つの健康経営施策 - がんアライ部

2023年12月12日、「がんアライアワード2023」表彰式をオンラインにて行いました。

 

表彰式では受賞企業45社を代表して、ベストプラクティスを受賞した大鵬薬品が講演を実施。本記事ではその様子をご紹介します。

 

<登壇者プロフィール>
大鵬薬品工業株式会社 人事部 亀田浩子さん

健康経営の支援対象範囲が広がっている

 

栄養ドリンク「チオビタドリンク」シリーズで知られる大鵬薬品ですが、実は主力製品は抗がん剤。新しい薬の開発や製品化を通じて、「人々の健康と笑顔に貢献する」ことを目指す企業です。

 

講演では、この1年間で同社が社内向けに実施した取り組みについてご紹介いただきました。

 

「最近の傾向として支援の対象範囲が広がり、定年後継続雇用社員や契約社員の他、社員のご家族に向けた働きかけも行っています。また、もともとは人事部が中心になって行っていた取り組みですが、他部門にも活動が広がっています」

 

 

1年間の取り組みの中から、「相談窓口の整理」「家族に向けた情報発信」「卒煙施策」の3つについて詳しく説明がありました。

取り組み1. 相談窓口の整理

 

大鵬薬品では、まず相談フォローを行う体制を取っています。

 

 

人事部内には産業カウンセラー、保健師・看護師、両立支援コーディネーター、社会保険労務士など、さまざまな資格を持った社員や、研究や営業部門に在籍したことがあり現場の状況をよく知る社員もおり、相談者の相談内容に応じて最適な人事部員がフォローに入っているそうです。

 

「相談を受ける側も積極的に資格を取得したり、知識や技術の向上に努めたりと、社員を支援するための努力を続けています。最近では人事部員以外にもこういった勉強をする社員が増えており、部下との面談時に役立てるなど、現場で生かしているという話も聞いています」

 

他に、困り事を自分で調べるためのツールも整備。本人はもちろん、相談を受ける上司が相談内容に関する知識を得るためにこれらを活用するケースもあるそうです。

 

「知らずに利用してもらえないというのは非常に残念ですので、こういったツールの存在は社内のイントラネットなどを通じて頻繁に周知しています」

取り組み2. 家族に向けた情報発信

 

健康に関する自社の取り組みと、社員の家族が利用できる健康サポートプログラムをまとめた折りたたみA4サイズ(A3見開き・表裏)の冊子「健康経営のパンフレット」を作成。広く活用してもらうために、2021年に社員全員に配布したのち、2023年には社員の家族宛にも送付しています。

 

 

他にも、がんに罹患した社員の就労支援をまとめた「がんに罹患した社員の就労支援ガイド」を2023年1月に刷新しました。

 

「2016年に初版を作成してからリニューアルを重ね、最新のものは第5版です。優しい色使いでどこを見ればいいかを明確にすると同時に、Q&Aを増やすことで具体的な状況をイメージしやすいよう工夫しています」

 

また、「病気になった社員に対して家族はどう接すればいいのか」「家族が病気になったときに社員はどのような介護制度を利用できるのか」といった情報も追加。がんに限らず、他の病気にも応用できる内容となっています。

 

 

取り組み3. 卒煙施策

 

大鵬薬品工業では、2020年に「2023年喫煙率ゼロ宣言」を行い、禁煙の取り組みを強化しています。

 

禁煙によって、がんの発症や新型コロナウイルスの重症化のリスクを防ぐ、非喫煙者の受動喫煙リスクを低減させるなど、「社員の健康を守る」こと、そして「顧客が『抗がん剤の大鵬』に期待する姿の実現」の大きく2つの目的があると亀田さん。

 

「当社は抗がん剤を開発・製造している企業です。生命関連企業人としての自覚を持ち、一般消費者の皆さまが当社に期待する在り方を実現するためにも、喫煙をしないことを重要視しています」

 

禁煙の活動を始めた2020年当時、全社員のおよそ15%、367名が喫煙をしていましたが、2023年4月の調査時点では2.2%、53名にまで喫煙者は減少。

 

 

具体的には、「2023年喫煙率ゼロ」を宣言した2020年から、まずは就業時間内の禁煙を徹底するための社内ルールを強化。喫煙所の閉鎖、希望者に対する禁煙外来の費用補助、卒煙者の成功談の共有など、喫煙者の社員に対して働きかけなどの支援を手厚く行っています。

また、新規採用時や役職の任命時に「非喫煙者であること」を要件の一つとして設定。そうやって全社の意識を高めてきました。

 

「当初、非喫煙者の要件は役員のみを対象としていましたが、役員全員が卒煙をしたことにより2022年からポスト課長や管理職にも対象を広げました。喫煙者の減少に伴い取り組みの内容も少しずつ濃くなっていき、結果として喫煙率の減少につながっています」

 

本年は目標である「2023年喫煙率ゼロ」の年。ラストスパートとして社長からの動画メッセージを公開し、社長自ら喫煙者に手紙を渡すなど、トップを巻き込んだ施策を実施中です。

 

「会社が本気で取り組んでいる姿勢を伝えることを意識しています。12月現在は2023年の最終結果に向けて分析を進めていますが、本年4月時点の社員喫煙率2.2%、喫煙者53名から、さらに卒煙者が増えたと聞いています」

 

同社がこれだけ力を入れて健康経営施策に取り組む理由として、亀田さんは最後に大鵬薬品のコミュニケーション・スローガンを紹介します。

 

▲大鵬薬品のコミュニケーション・スローガン

 

「私たちは病気に悩む患者さんや、そのご家族、そして健康な生活者の皆さんのかけがえのない生活がいつでも続くように、治療だけでなく、未病や予防まで取り組みたいと思っています。これからも革新的な新しい薬を作り、人々の健康と笑顔に貢献してまいります」

 

>>【がんアライアワード2023ゴールド&ベストプラクティス】大鵬薬品工業株式会社の「がんと就労」施策

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