活動レポート

がん経験者の想いから生まれたビール『HOPPIN’GARAGE Thanks&Cheers!』発表会レポート

がん経験者の想いから生まれたビール『HOPPIN’GARAGE Thanks&Cheers!』発表会レポート

2022年7月15日、『HOPPIN’GARAGE Thanks&Cheers!』の商品発表会がサッポロビール本社にて開催されました。

『HOPPIN’GARAGE Thanks&Cheers!』は、「生きている喜びを心から実感できるビール」をコンセプトに、『WorkCAN’s(ワーキャンズ)』メンバーを中心とした、がんサバイバーたちの想いをつないでつくられたビール。

 

WorkCAN’sは「働くがんサバイバー」を意味する造語で、がんに罹患した仲間同士、相互に助け合う「ピアサポート」を目的とした団体です。会社や業界の垣根を超えて、ピアサポーターの研修を行ったり「WorkCAN’sエピソードバンク」で体験談を共有したりといった活動をしています。

 

サッポロビール社の人事部 プランニング・ディレクターの村本高史さんは、自身もがん経験者。今回のビールプロジェクトへの想いをこう語ります。

 

「サッポロビールでは、がん経験者の社内コミュニティ『Can Stars』を2019年に発足しました。 その時の発足宣言は以下の通り。同じ想いの人をつなげ、ビールづくりに生かしたいと思いました」(村本さん)

 

私たちは、人生にはつらいことがあることを身をもって知っています。

でも、私たちは、生きることの素晴らしさも心から実感しています。

そんな私たちだからこそできることがあると信じています。

☆のもとに、がんを経験した社員の思いをつなげて。

Can Stars

2019年3月26日、スタートです。

 

「また、がんを経験すると『お酒を飲んではいけない』と思われてしまい、飲み会に誘ってもらえなくなってしまうこともあります。もちろん飲酒の可否は医師の判断に従わなければいけませんが、がんとお酒は結び付きにくく、遠ざけられている面もあるからこそ、『生きている喜びを実感できるビールをつくりたい』と思いました」(村本さん)

 

▲村本高史さん(サッポロビール株式会社 人事部 プランニング・ディレクター)

 

ビールプロジェクトは、2021年5月から4回のワークショップをオンラインで実施し、意見交換を行いました。コアメンバー13名に加え、一般応募の参加者を含め、合計250名の想いをつないで完成したのが、『HOPPIN’GARAGE Thanks&Cheers!』です。

 

<ワークショップ参加者の意見>

「ビールはただおいしいだけではなく、味わい深かったりする。空のみんなとしみじみ乾杯できるビールをつくりたい」

 

「苦しい時を抜けた時ならではの、いつもの世界が美しく見える感覚を再現した、五感すべてが震えるようなビールをつくりたいです!」

 

「私たち一人一人が経験して一番大きいのは、生きること、死ぬこと、友だちと別れることを同世代より多めに経験してきた人たちの集まりであること。ぐっと飲んで、あーっと言えるようになればいい」

 

「ビールらしいほろ苦さ、そしてこれまで出会ってきた人たち一人一人の笑顔が思い浮かぶようなさわやかさ。これまでのワークショップを通じて、つないできた皆の想いが本当に一つの味になっています」

 

こうして完成したコンセプトが「Thanks & Cheers! であいに感謝、いのちに乾杯。」。昼と夜のはざま、光が混ざり合った美しいマジックアワーの瞬間を起用したデザインの上には、こんなコピーが載せられています。

 

辛いこと、

楽しいこと、

苦いこと、

甘いこと、

泣いたこと、

笑ったこと、

すべての人生に。 

 

「私たちが今まで出会った大切な人たちに想いを馳せるような、そして私たち一人一人のいろいろなことがあった人生を振り返るようなコピーです。本日発表ができたことを、本当にうれしく思っております」(村本さん)

 

 

今回のビール『HOPPIN’GARAGE Thanks&Cheers!』は、サッポロビール社のビールブランド『HOPPIN’GARAGE』から数量限定で発売されます。『HOPPIN’GARAGE』は、魅力的な人たちの人生ストーリーを基に多様性あふれるビールを生み出し、そのストーリーを味わいながら飲むという、新しいビールの楽しみ方を提案するもの。

 

『HOPPIN’GARAGE Thanks&Cheers!』は、ウェブストアから購入可能。8月15日までが事前予約期間となり、翌日16日から発売開始されます。ビールにはワークショップに参加したメンバーの想いを綴ったストーリーブックとマグネットステッカーが付いてくるそうです。

 

>>『HOPPIN’GARAGE Thanks&Cheers!』商品詳細はこちら

 

▲左から、武田雅子さん、村本高史さん、桜井なおみさん、月村寛之さん

 

発表会の後半では、ビールプロジェクトのメンバーが登壇。それぞれのコメントをご紹介します。

 

・村本高史さん(サッポロビール株式会社 人事部 プランニング・ディレクター)

 

「人生には悲しみや笑顔があって、それははっきり分かれているのではなく、一つに溶け合いながら人生を形づくっているように思います。このビールもまた、複雑な味わいが一つになっています。

 

もちろんがんサバイバーの方に飲んでいただきたいですが、最近はさまざまな不安の影が多くの人たちに落ちているように思います。毎日を過ごす中で不安を感じている人たちが、このビールを飲むことで少しでも上を向くきっかけになればうれしいですね。大切な人を思い出しながら、あるいは自分の人生を振り返りながら、飲んでいただけたらいいなと思っています」

 

・月村寛之さん(株式会社電通 ビジネストランスフォーメーション・クリエーティブ・センター グロースアーキテクト部ゼネララル・マネージャー/LAVENDER RING主宰)

 

「このプロジェクトには、過程と今後の二つに大きな意味があると思っています。まず過程については、特定のクリエイターがプロデュースするのではなく、ワークショップでオープンかつ双方向的なものづくりをした点が新しい。

 

そして、商品として世の中に出ていく中で、どう育っていくのか。誰に、どんなシチュエーションで飲まれるのか。250名もの人たちの想いが詰まったビールとなると、飲み方も変わるような気がします。『Thanks&Cheers!』の今後を見守っていきたいですね」

 

・武田雅子さん(カルビー株式会社 常務執行役員 CHRO 兼 人事総務本部長/がんアライ部発起人 )

 

「プロジェクトに参加した250名のストーリーをシェアしながらビールづくりを進める中、それぞれの話が素敵で、私自身何度も泣きました。まとめるのはとても難しいことでしたが、全部を包み込むようなビールができたと思っています。私たちの全部が入ったビールを、早く皆さんに飲んでいただきたいです。

 

また、ビールプロジェクトには、がん経験はないけれど、共感して参加してくださった方もいます。まさに垣根を越えた想いが一つになってできたビールであり、ここからスタートして、いろんな方向につながり、広がっていけばいいなと思っています。

 

がんは遠い話だと思っている方もいるかもしれませんが、いつ自分ががんになるかわかりません。実はある意味自分事でもありますから、活動に関心を持っていただけるとうれしいですね」

 

・桜井なおみさん(キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長/がんアライ部発起人)

 

ぜひいつか、医療従事者の方たちも含めて、みんなで『Thanks&Cheers!』と言いながら乾杯したいですね。ビールの完成がゴールではなく、ここから始まっていくのではないかと思っています。いろいろな垣根をとっぱらって、もっともっとみんながつながって、それによって生活に笑顔をつくっていけるような活動をどんどんしていきたいと思っています。

 

ぜひがんをテーマに、このビールとコラボをしましょう。例えば病気の影響で缶のプルトップを開けられない人のための補助用品など、いろいろ考えられると思います。そうやって企画部など巻き込むことで、がんと就労の両立支援を人事部だけの施策にせず、がんを何か遠いもののようにせず、広めていければいいなと思います」

 

 

取材・文/天野夏海

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