がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2021 シルバ-】平安伸銅工業株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2021 シルバ-】平安伸銅工業株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2021に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

シルバ-受賞:平安伸銅工業株式会社

事業内容:卸小売業(ファブレスメーカー)

従業員数:65人(契約社員含む)

ウェブサイト:https://www.heianshindo.co.jp/

風土づくり

 

◆会社の規則をメンバー自身が変えていけるプロジェクトの発足

 

・有志のメンバーが集まり、「就業規則について身近(会社からの一方的なものでなく、双方向的なもの)に考えてもらうための第一歩とする」「プロジェクトでの議論や変更内容を通して、メンバーに様々な視点・価値観にふれる機会を作る」という目的のもと、議論や社内へのヒアリングを通し、すでにある就業規則やその他の規則にメンバー自身が新たな制度や修正を加えました。

 

・今回の活動では、婚姻関係やジェンダーの多様性にフォーカスし、各規則の修正や、制度の追加などを行っております。

 

・メンバー自身が、前例にとらわれず目的志向で自分たちのルールについて考え、自分たちの手で変えていくこの活動は、より弊社の考え方やメンバーそれぞれの実情にあった規則に都度アップデートしていけることから、メンバーやその家族ががんに罹患した際も安心して働ける環境にもつながると考えております。

 

 

※今回は「各規則から性別を特定する表記をなくす」ことと、「弊社における結婚の定義に事実婚(性別不問)を追加する」という変更を行いました。これに伴い、新たに弊社独自の婚姻届なども作成いたしました。

 

◆ヘイアンバリューの浸透活動

 

・弊社のビジョン「アイデアと技術で「私らしい暮らし」を世界へ」を達成するための価値観として、9つのヘイアンバリュー(コアバリュー)を掲げています。

 

・「私らしい暮らしを実践しよう」「違いを大切にしよう」などメンバー一人ひとりの存在を尊重するバリューを掲げており、制度以外の面でも個人のプライベートやお互いの個性を尊重し合う環境づくりを心がけています。

 

・また、バリューをメンバー一人ひとりに理解してもらい、大切にしたい価値観として認識してもらうため、有志のメンバー(固定メンバーではなく、年度によってメンバーが変わります)が社内へのバリューの推進・浸透活動を行っています。

 

直近のバリュー施策の例

▼バリュープロジェクト

今年度は、有志のメンバーが約半年かけてヘイアンバリューを「平安伸銅で働いている私たちを後押しし、応援してくれるような一人ひとりの心のツールにする」というテーマで考察し、「「ヘイアンバリューの研究発表」という形で社内発表を行いました。

 

バリューが浸透するにつれて一部のメンバーが持つようになった「バリューに沿った行動ができているか否かが評価につながるのではないか」という不安に対し、「評価とバリューは異なるものであり、バリューはそれぞれの心の中で行動を後押しするもの」としてプロジェクトメンバーなりの定義づけを行い、社内への浸透活動を行いました。

 

 

このようなヘイアンバリューは、メンバー一人ひとりの暮らし・生活・状況に向き合い、その人らしい働き方を応援する風土のベースにもなっており、メンバー自身がより安心して働ける環境にもつながると考えております。

 

相談できる環境づくり

 

◆外部相談窓口との連携と社内への通知

・人事担当に限らず、メンバーであれば誰でも24時間電話にて健康相談ができるサービスとの提携を行っております。

 

・また、相談内容に応じて専門医を手配できるセカンドオピニオンアレンジサービスや、メンタルケアカウンセリングサービスなども併用しており、がんに限らず、その他の病気や育児、介護、メンタルヘルスなど、様々な相談を外部の専門窓口と直接やりとりすることが可能です。

 

ただ、現在は社内周知のみにとどまっており、今後メンバーが利用したいと感じた時にすぐに利用できるよう整備する必要はあると考えております。

 

 

◆タイワの実施(1on1)

 

・少なくとも月1度、プライベートや仕事に関係なく、メンバー自身が感じた不安や悩み、モヤモヤしていること、良かったことなどを所属グループの上長にとことん聴いてもらう「タイワ(1on1)」の時間を設けています。

 

・時には上長からアドバイスを行うこともありますが、「価値観を共有し、普段の業務のコミュニケーションを円滑にする」ということを目的としているため、基本的には上長は「メンバー自身の話にしっかりと耳を傾ける/聴く」という姿勢を重視し、取り組んでいます。

 

・また、月1度の定期的なタイワの時間以外にも、メンバーが「こういう時どうしたらいいんだろう」「不安だから誰かに相談したい」と感じた時は都度タイワし、タイワの内容を元にメンバーに対する個別の対応を行っています。

 

◆グループ朝礼 / 昼礼 / 夕礼

 

・毎日各グループの朝礼または昼礼、夕礼を実施しています(グループによって実施する時間帯は異なります)。その日のタスクなど業務上の連絡事項はもちろんですが、最近起こったプライベートな話やちょっとした相談をする雑談の場にもなっています。

 

・また、在宅勤務下で仕事を行う中で実際にメンバー同士が会って話す場がほとんどなくなっているため、「相手の人となりがよくわからない」「名前と顔と仕事内容しか知らない」という状態で仕事をしているメンバーも少なからずいます(特にコロナ禍で入社した新入社員など)。そのため、週1回は朝礼または昼礼、夕礼の時間内に15分程度メンバー同士の雑談の時間を設け、お互いの価値観や近況、人となりを知る時間機会を意識的に設け、メンバー同士の関係づくりに力を入れています。

 

◆コロナ禍におけるメンバー同士の関係づくり

 

・クォーター毎にそれぞれのグループの業務状況や日々業務の中で感じた感謝の気持ちや協力してほしいこと、知ってほしいことなどを共有しあう「クォーター会」の実施を開始しました。

 

・リモートワークが主となっている現在、直接会って話す機会があまり持てないからこそ、このような場を持つことでメンバー同士が自らの弱みを見せあいつつもお互いを信頼して目標に向かえる関係づくりや会社全体の一体感の醸成を行っています。

 

このようなメンバー同士の関係づくりを継続的におこなうことは、メンバーががんに罹患した際の相談しやすい環境につながると考えます。

 

◆slack「雑談チャンネル」の運用

 

在宅勤務により、メンバー同士で気軽な雑談ができる場が在宅勤務前よりも減ってしまったことから、slackに「雑談チャンネル」を作成し、運用しています。仕事に関することやプライベートなことを含め、メンバーの「ちょっと誰かに共有したいこと」を共有
どんなテーマで話しても良い「雑談全般チャンネル」に加え、「家庭」「スキルアップ」「エンタメ」とジャンルに分けた雑談チャンネルも派生して運用しています。

◆グループレクレーション制度
グループのメンバー同士のコミュニケーションを活性化させるため、グループでのレクレーション費用の一部を会社が負担しております。新型コロナウイルス感染症の影響により物流センター以外のほとんどのメンバーが在宅勤務を実施している現在は、多くのグループがオンラインにて懇親会を実施しています。

 

制度・配慮

 

◆簡易人間ドッグの実施

毎年の健康診断は全てのメンバーが簡易人間ドッグを受診し、がんなど重病の早期発見に向け取り組んでいます。

 

◆フレックスタイム制(コアタイム有り)

さまざまな背景を持つメンバーが働いていることから、勤務時間を各自で設定できる「フレックスタイム制」を導入しており、メンバー一人ひとりの多様な働き方を応援しています。

 

例えば、「今日は通院日だから病院に行ってから仕事をしよう」「郵便局に行きたいから早めに終わろう」など、それぞれの事情に合わせ、出勤・退勤時間を日によって変更することが可能です。

 

講評・コメント

 

・有志のメンバーによる議論を経て、就業規則やその他の規則に新たな制度や修正を加えられています。メンバーやその家族ががんに罹患した際も、柔軟に対応できる期待が持てます。

 

・24 時間電話にて健康相談ができるサービス、セカンドオピニオンアレンジサービス、メンタルケアカウンセリングサービスなど、様々な相談を外部の専門窓口と直接やりとりすることができるように整えています。

 

>>「がんアライアワード 2021」受賞企業と事例集一覧はこちら

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