がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2021 シルバー】東洋製罐株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2021 シルバー】東洋製罐株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2021に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

シルバー受賞:東洋製罐株式会社

事業内容:製造業

従業員数:2,617人

ウェブサイト:https://www.toyo-seikan.co.jp/

取り組みのきっかけやエピソード

 

・現在全社で取り組んでいる「働き方3.0プロジェクト」において、「仕事と治療の両立支援」はその中でも重要なテーマの1つであると捉え、取り組みを実施しています。

 

・今回初めてがんアライアワード、がんアライ宣言に参加しますが、これらの活動をしっかり社内に伝えていくことから始めたいと思います。

 

・また、セミナーや勉強会などで得られる他社事例や情報なども参考にさせて頂きながら、自社の活動に繋げたいと思います。

 

風土づくり

 

◆全社プロジェクトにおける経営課題テーマの1つとして活動

 

当社は2018年度より「働き方3.0プロジェクト」に取り組んでおり、このプロジェクトは「働き方の改革」「ダイバーシティ推進」「健康経営」を三本柱としています。中でも「仕事と治療の両立支援」は、「健康経営」における重要なテーマの1つとして掲げています。従業員の心身の健康を目指す一方、もし従業員が病気に罹患した場合でも、会社は治療に専念できる環境の整備や、就業継続のサポートをする必要があると考えます。これらについて、自社の健康保険組合と協働で各種施策を実行しております。

 

◆「仕事と治療の両立支援ハンドブック」を作成

 

・「当社は仕事と治療の両立を支援しています」というメッセージを従業員に広く発信するべく、今年4月に健康保険組合と協働で「仕事と治療の両立支援ハンドブック」を作成しました。

 

・病気に罹患した際に使える勤務制度や収入面の補填、困った時の相談窓口等について明記し、従業員目線のQ&A形式でまとめました。

 

・従業員にとって読みやすく、また不安を和らげられるような冊子を目指して作成しました。この冊子はデータ形式で社内イントラに掲示して周知した他、PCを所有しない製造現場の従業員については、各事業所の看護職および労務担当課長を通じて全社展開を行いました。

 

◆多様な働き方の実現

 

・それぞれの事情に応じた多様な働き方の実現に向けて、テレワーク勤務(在宅・サテライトオフィス)を導入しています。

 

・また、昨年度は既存のフレックス勤務制度についても見直しを行い、コアタイムに関するルールなどを緩和することで、より柔軟な勤務を可能としました。

 

・これらの勤務制度は主に本社・開発部門のみ適用としていましたが、今年度より生産拠点である各事業所にも徐々に拡大しています。

 

相談できる環境づくり

 

◆全事業所に看護職を配置し、従業員の健康管理や健康経営推進を実施しています。

 

◆毎月、産業医が来社する日程を従業員に周知し、誰でも気軽に相談しやすい雰囲気作りに努めています。

 

◆産業医・看護職・上司・人事担当が連携し、個々人に応じた復職プログラムを検討・実施しています。

 

◆第三者機関に委託し、健康相談ダイヤルを開設しています。自身や家族の健康に関する悩み相談が電話・WEBを通じていつでも可能です。

 

制度・配慮

 

◆各種検診について、健保組合による費用補助

 

・一定年齢の従業員に対して、胃部X線・大腸癌検診、前立腺がん検診を会社の定期健康診断時にあわせて実施。(費用全額補助)

 

・女性従業員の希望者全員に対して、婦人科検診の費用を全額補助。

 

・人間ドック、単独検診について上限4万円まで費用補助。

 

◆卒煙サポート

禁煙外来、オンライン卒煙プログラム、パッチを使った禁煙プログラムなど、各種サポートを実施。(健保組合による費用補助あり。禁煙外来については自己負担額25,000円まで補助、その他については全額補助)

 

◆その他、予防に向けた取り組み、イベントの開催

 

・活動量計の無償配布(日々の歩数や消費カロリー確認を促進。オフィスに設置してある体組成計・血圧計の測定データとあわせて、より詳しいデータ管理も可能)

 

・オンラインのストレッチセミナーや歩数イベントなど、健康増進のための各種イベントを開催

 

・野菜摂取量測定イベントを開催。専用機器に手のひらを当てるだけで野菜摂取の充足度をチェックできるというもので、従業員が参加したいと思えるようなイベントになるよう工夫をしています。

 

・歯科検診の実施。歯の健康は生活習慣病予防にもつながるとして、気軽に虫歯チェックや口腔ケアを受けられるよう、年1回各事業所にて実施しています。

 

◆休業中の金銭面のサポート

 

・休職中も最長2年間、最大で本給の1/2を支給。(期間および支給額は勤続年数に応じて変動)

 

・傷病手当金について、法定給付期間(1年6ヶ月)を超える場合は、更にその後3ヶ月まで健保組合から手当金を支給。

 

・高額療養費制度(個人負担は1ヶ月につき最大21,000円まで。超過分は健保組合が付加給付)

 

◆両立支援に関する勤務制度

 

・フレックス、テレワーク(在宅・サテライトオフィス)、時差勤務制度(テレワークについては勤務途中の中抜けを認めており、通院なども可能です)

 

・失効有給休暇※ (最大50日積立)の利用が可能(※失効有給休暇・・・2年を経過し失効した年次有給休暇について積立保存する制度)

 

・復職者休暇(傷病による休職から復職した際、復職時点での年次有給休暇が5日に満たない場合、その不足する日数を復職者休暇として付与しています)

 

講評・コメント

 

・病気に罹患した際に使える勤務制度や収入面の補填、困った時の相談窓口等について明記された「仕事と治療の両立支援ハンドブック」を作成されています。読みやすさや不安を和らげることを意図されるなど、読み手に配慮した作成方法をとられたことは素晴らしいです。

 

・全事業所に看護職を配置し、従業員の健康管理や健康経営推進を実施されています。産業医の来社日程を事前に周知し、気軽に相談しやすい環境づくりを進められています。

 

・風土・環境・制度のそれぞれの面において、着実に取り組みを進められていることが伝わってきます。

 

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