がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2023シルバー】野村ビジネスサービス株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2023シルバー】野村ビジネスサービス株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2023に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

シルバー受賞:野村ビジネスサービス株式会社

業種:その他サービス業(証券バックオフィス・サービス)

従業員数:254名(2023年10月1日時点)

https://www.nomura-bs.co.jp/

働く人を支える制度・ 体制

 

【1】がんと就労に関して、あるいは社員の健康や安全に関する基本方針等の表明

健康経営宣言/がんアライ宣言 

 

■健康経営宣言

野村グループでは2016年7月に「NOMURA健康経営宣言」を採択し、健康経営推進責任者のもと、健康保持・増進に向けた取り組みを推進しています。

 

2021年度からは、野村グループの経営ビジョンである「社会課題の解決を通じた持続的成長の実現」を目指すため、グループ全体の健康経営のゴールとして「野村で働くすべての人が、単に健康になるのではなく、肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされた状態(Well-being)になること」を社員全員と共有しています。

 

「NOMURA健康経営宣言」
野村グループの最大の財産は、人材です。社員一人ひとりが自らのもつ能力や個性を十分に発揮し、活躍するためには、心身ともに健康であることが重要です。この理念のもと、野村グループは社員の健康保持・増進を経営的な視点でとらえ、主体的に取り組んでいます。

 

■がんアライ宣言

野村グループでは、「がんアライ宣言」を募集する際、CHROががんアライ宣言を行い、グループ社員に向け「病気の治療と仕事の両立をサポートし、野村で働くすべての人がいきいきと働ける職場を作っていく」というメッセージを表明しています。

 

当社では、2021年の応募時にがんアライを宣言。2023年度は、社内イントラネットを通じてがんアライ宣言を呼びかけ、役職員が社内でがんアライ宣言を行い、その様子などを社内イントラネットに自発的に掲載することにより当該活動を盛り上げています。

 

【2】休暇制度

傷病・病気休暇制度/傷病・病気休職制度/半日単位の有給休暇取得/時間単位の有給休暇取得/その他の休暇制度

 

■傷病等休暇

傷病や不妊治療による通院時は、年次有給休暇とは別に勤務年数により異なるが最大50日の休暇を付与。また傷病休暇は1日単位半日単位で取得可能。

 

■傷病等休職

傷病により3か月をこえて引続き欠勤する時に最大1年6か月休職が可能。

 

■半日・時間単位の有給取得

年次有給休暇を1日、半日又は1時間を単位として取得可能。1時間を単位とする場合は5日を限度とする。

 

■人間ドック休暇

人間ドック受診時には、「人間ドック休暇」を1日取得できる。また、この休暇は毎年4月から12月とし人間ドックの早期受診を促すように設定。

 

■二次検査休暇

人間ドックの結果に基づき医療機関を受診する者は、一日または半日単位の二次検査休暇を年1回取得できる。

 

【3】勤務制度

時差出勤制度/在宅勤務(テレワーク)制度/短時間勤務制度/リハビリ出勤制度(復職後、休職前の勤務時間より短時間で勤務する等の制度) /カムバックに関する制度(離職した社員の再雇用に関する制度)

 

■調整出勤制度

傷病治療や不妊治療などの通院、育児・介護など事情がある場合、所定労働時間数を変更することなく、出勤・退勤時刻を繰上げ又は繰下げ変更できる制度。(半日休暇や時間休も使用可)

 

■在宅勤務制度

所属部室店長が認めた社員は、月の所定労働日数の8割(2023年3月までは6割)在宅勤務を行うことができる。

 

■短時間勤務制度

傷病理由による休職からの復職後、最大6か月間にわたり、所定勤務時間において1日4時間以上とし勤務時間を短縮することができる。

 

■カムバックに関する制度

出産や育児、傷病等でやむを得ず退職者を再雇用する。

 

【4】支援体制

社員相談窓口の設置/保健師・産業医等の医療職の支援/外部医療機関との連携/外部支援サービス(EAP等)の活用/上司等との1on1、面談等の機会/人事担当者等との面談等の機会/主治医との書面上での情報連携/人事担当者等による受診時同行(主治医との直接の意見交換)/(休職を要さない場合)両立支援プランの策定・実行/休職中のフォロー/(休職した場合)職場復帰支援プランの策定・実行/復職後のフォロー /その他の支援体制

 

■社員相談窓口の設置

東京商工会議所の研修プログラムを受講し、「健康経営アドバイザー」として認定された人事担当者が社内制度や健康保険組合の給付に関することなど社員からの相談全般にのっている

 

■保健師・産業医等の医療職の支援

グループ内に健康相談窓口があり、産業医・保健師・看護師・管理栄養士が連携して、がん等に罹患した社員がより快適に働けるようさまざまな相談にのることができる窓口を開設。

 

■外部医療機関との連携

必要に応じて産業医を通じて外部医療機関と連携している。

 

■外部支援サービス(EAP等)の活用

セカンドオピニオンや専門医療機関への紹介・受診手配のサービスを提供している。

 

■上司等との1on1、人事担当者等との面談等の機会

全社員を対象に「心理的安全性」に関する研修を行い、誰もが気兼ねなく自分の状況や意見を言える職場づくりを推進し、定期的に社員と上司、また社員と人事がそれぞれ1対1でコミュニケーションを取る機会を設けている。業務に関することやキャリアやプライベートに関することなどについて相談することができる。

 

■主治医との書面上での情報連携

必要に応じて産業医より主治医に情報照会をしており、主治医の意見を元に産業医意見を会社に提出している。

 

■両立支援プランの策定・実行

休職や、休職に至る前の欠勤から復帰する際には部署と本人が面出して復職プランを作成から復帰。人事、産業医が内容を確認して復帰を判断。復帰後は主治医の意見を踏まえ適宜見直しを行っている。

 

■休職中のフォロー

担当する保健師が社員からの相談対応。また人事部や所属部署の上席者などからも本人に定期的に連絡をとり、本人の体調確認や困っていることなどについてヒアリングを実施している。

 

■復職後のフォロー

担当する保健師および産業医が復帰時、復帰後1か月、3か月、6か月、1年後にフォローアップを実施。

 

【5】健康増進支援 

健康診断受診率増加に向けた取り組み/健康診断受診率100%達成/がん等の任意検診受診費用の補助/人間ドック費用の全額補助/健康診断で「要検査」となった人のサポート/必要に応じた産業医・保健師の面談/禁煙に関する取り組み/日常的な健康増進に関する取り組み(運動習慣獲得、食事管理、睡眠管理等)/健康増進イベントの開催/健康管理に関するアプリの配布/休憩室の整備/その他健康増進支援

 

■健康診断受診率増加に向けた取り組み

30歳以上の社員は人間ドックを健康診断の代替としており、受診率増加のため、1. 人間ドック早期受診者にポイントを付与、2.人間ドック受診時には有給の「人間ドック休暇」を利用可能、3.人事担当者からのメールや電話による勧奨を実施している。

 

■健康診断受診率100%達成

2022年健康診断受診率100%を達成。2023年度も9月末現在で予約率100%、受診率99.6%。11月までに受診率100%達成見込み。

 

■がん等の任意検診受診費用の補助・人間ドック費用の全額補助

人間ドックの検査項目には胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がん、前立腺がん検査が含まれ、全額健康保険組合が補助。子宮頸がんは全女性社員が対象となり全額補助。

 

■健康診断で「要検査」となった人のサポート

健康診断・人間ドックで二次検査が必要になった社員へ受診勧奨を実施。また、がん検診項目で要精密検査となった社員へは健康保険組合とのコラボヘルスにより受診勧奨を実施しており、それぞれ二次検査・精密検査受診時は、有給休暇である二次検査休暇を利用することにしている。

 

■必要に応じた産業医・保健師の面談

健康診断事後措置において、必要に応じて産業医・保健師が本人と面談を実施。

 

■禁煙に関する取り組み

望まない受動喫煙の防止と社員の疾病予防のため2021年10月より就業時間内禁煙を導入。休憩時間も含め出社から退社までを禁煙としている。同時に健康保険組合がオンライン禁煙プログラムの費用補助や、禁煙に成功した社員へポイントインセンティブを付与するサポートを実施。社内喫煙所は2021年12月末を以てすべて廃止した。

 

■日常的な健康増進に関する取り組み(運動習慣獲得、食事管理、睡眠管理等)

1. 社員の健康増進のため、部署ごとの平均歩数を競うオンラインのウォーキングイベント「ノム☆チャレ」を毎年実施。歩数や写真を全社員で共有し、「いいね!」やコメントの投稿で応援し合うことで、社員のコミュニケーション向上や運動習慣の定着につなげている。同時に参加者の歩行距離に応じた金額の寄付を行っており、2022年度は「認定特定非営利活動法人キッズドア(NPO Kidsdoor)」に寄付。社員個人への健康増進のみならず、寄付という形での社会貢献につなげている。2022年11月の開催時には、グループ内の多くの部署が参加する中、当社検査部が(小規模部店)歩数賞を受賞。

 

2. 管理栄養士による「食事による生活習慣予防」「アルコールのおつまみの選び方(肝臓の負担の減らし方、機能正常化促進)」「時間栄養学」に関する動画を提供。健康プラットフォーム「WellGo」に食事や間食、飲酒状況を入力できる機能を活用し、入力した社員にインセンティブポイントを付与している。

 

■健康増進イベントの開催

セントラルスポーツ・avivo・メガロスのインストラクターによる「健康増進セミナー」を健康保険組合が提供。肩こり、睡眠などのテーマを部署が選択し最大3回実施可能。

 

■健康管理に関するアプリの配布

健康経営プラットフォーム「WellGo」を導入。健康診断結果や医療費、歩数や食事記録などの健康データの見える化や、eラーニングや健康クイズ配信によるヘルスリテラシー向上機能などを各社員活用している。またイベント機能を利用してウォーキングイベントを開催することにより社員同士がSNSのように写真やコメントを投稿し合うことによってコミュニケーション活性化にもつながっている。

 

■休憩室の整備

各部支店に休憩室を整備。

 

【6】その他の制度・体制

■付加給付制度

医療費が一定額を超えた場合、超えた部分の医療費を払い戻してくれる「高額療養費制度」の他に「付加給付制度」があり、月額25,000円程度に抑えることができます。付加給付制度があることで、医療費の負担が軽くなり治療に専念することが可能になります。

 

■傷病手当金付加金

野村證券健康保険組合では傷病手当金に、独自の給付(付加給付)を上積みしています。

 

■延長傷病手当金付加金

法定の傷病手当金給付満了後も仕事を休み給料等がもらえないときには、1年6ヵ月間、延長傷病手当金付加金として支給されます。

 

働く人を支える風土、環境

 

【1】啓発、研修

社員向けのがんに関する研修/上長・管理職向けの両立支援に関する研修/女性向けのがんに関する研修/がんに関するe-ラーニングコンテンツの提供/罹患者の体験談を聞く機会の提供

 

■社員向けのがんに関する研修

毎月社内で制作している健康番組(動画)において、「働く世代に多い乳がん、子宮頸がん」「『がん』の治療と仕事 どうする?両立」「若い世代の女性に多い子宮頸がんについて」「がん検診後の精密検査」をテーマに配信。

 

■上長・管理職向けの両立支援に関する研修

新任管理職研修において、復帰フローと両立支援ガイドブックに関する情報を提供。

 

■女性向けのがんに関する研修・がんに関するe-ラーニングコンテンツの提供

1. 女性自身や周囲のリテラシー向上のため、性別に限らず全従業員を対象に女性の健康に関する研修を実施。CHRO兼CHOとCradle代表取締役のスプツニ子!氏による「企業が女性の健康に取り組む意義」の対談や「月経」「子宮頸がん」「更年期」「男性の更年期」の動画を視聴してリテラシーを身につけることで、男女それぞれが必要な時に対処しお互いを思いやれる環境を整備している。

 

2. 2020年度よりこれまで30歳以上としていた子宮頸がん検診を20代女性も対象に追加。罹患者の体験談を聞く機会の提供:野村グループイントラネットのWell-beingコーナーに「私の体験談」として治療と仕事の両立について掲載し誰でも状況を確認することができる。

 

【2】情報発信

イントラネット、社内ポータルサイト等での情報発信/メルマガ等での情報発信/両立支援に関するハンドブック・ガイドブックの配布/罹患者の体験談を見られる機会の提供

 

■イントラネット、社内ポータルサイト等での情報発信

がんなどの治療と仕事の両立支援のため2018年4月に「NOMURAの健康サポートプラン」を策定。会社として治療と仕事の両立を支援する姿勢を社内に発信

 

■メルマガ等での情報発信

全社員向けに医療職が月に一度配信している「健康相談室たより」において、二次検査の重要性や喫煙のリスクについて啓発
 両立支援に関するハンドブック・ガイドブックの配布:社員と上司向けの「治療と仕事の両立支援ガイドブック(本人編、上司編)」を作成し、がんなどの病気により治療を続けながら仕事をする社員が安心して仕事と治療を継続することができるよう、本人のみならず上司の対応方法なども周知している。

 

患者の体験談を見られる機会の提供

2018年から治療と仕事を両立している社員の体験談を「キラッとNOMURA Life~私の体験談~」としてイントラに掲載。これまでに12名の体験談を掲載し、匿名・写真なしで可としているが、体験談を読んだサバイバーから徐々に実名・写真入りでの掲載希望が増えている。また、体験談を掲載した社員へ個別に相談したり、体験談を読んでがん検診の重要性を認識した社員が体験談を社内に拡散したりするなど、社員発の動きが増えてきている

 

【3】コミュニティ

がん罹患者・経験者同士のコミュニティ 

 

グループとして、がんに罹患した従業員の座談会を初めて開催。実名・匿名を本人が選択できるようにし、これまでの経験や両立しやすい職場環境を作るためのディスカッションを行った。

 

【4】対外的な活動

その他の対外的な活動

 

■その他の対外的な活動

グループHPにて広報担当執行役員とがんアライ部発起人の功能聡子氏、鈴木美穂氏のインタビューを掲載。がんを取り巻く状況やお二人のこれまでの経験・がんアライ部立ち上げの思いを紹介することにより、誰ひとり取り残さず、誰もが輝きながら仕事を続けられる社会を創るという思いを社会に対して発信している。

 

【5】その他の風土・環境

■ステッカーの配布

LGBTQ、病気治療中の社員の支援のためステッカーを作成し、賛同者に配布。PCや携帯電話に貼ることを推奨しており、支援が必要なときに相談しやすい風土づくりにつながっている。

 

■グループ会社の担当者同士の連携

グループ会社の担当者が定期的に集まり、両立支援やその他の健康経営推進に関する取り組みについて意見交換やノウハウの共有を行い、グループ全体で「野村で働くすべての人が、単に健康になるのではなく、肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされた状態(Well-being)になること」を目指した取り組みを継続しています。

 

エピソード・思い

 

治療と仕事を両立して働ける制度、体制、環境などを整え活用できるものが当社には沢山あります。また、社内にはがんアライメンバーがいることを知ってもらえるよう、継続して社員に発信しています。

 

【1】がんと就労の取り組みを始めたきっかけ

社員ががん等に罹患した際に必要な制度や健保給付などに関する情報が集約されていなかったことがきっかけです。

 

野村グループには、制度・給付制度、「治療と仕事 両立支援ガイドブック(本人編・上司編)」や「治療と仕事の両立体験談」などの参考資料も充実していることを病気に罹患した人だけでなく、健康な社員にも共有できるようにし、いざといった時にも会社をやめなくても治療と仕事を両立できることを知ってほしかったからです。

 

【2】他社の担当者への応援メッセージ

がんアライメンバーを一人でも増やし、「がんなどの治療と仕事を両立できる社会の実現」のための制度・体制、風土・環境づくりを一緒に作っていきましょう!

 

講評・コメント

 

社内相談窓口が充実されていることや、全社員を対象に「心理的安全性」に関する研修を行われていることなどから、罹患社員が気兼ねなく相談できる環境づくりを進められていることが伝わってきます。健康診断受診率100%や任意検診受診費用の補助、要検査となった人へのサポートなど、社員の健康を支える体制を整えられており、安心感があります。

 

※上記オレンジ色の枠内の項目は、がんアライアワード2023応募シートでチェックいただいた項目と同一のものです。

 

>>「がんアライアワード2023」受賞企業一覧はこちら

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