がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2022 ゴールド】株式会社丸井グループの「がんと就労」施策  

【がんアライアワード2022 ゴールド】株式会社丸井グループの「がんと就労」施策   

がんアライアワード2022に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:株式会社丸井グループ

業種: 小売業

従業員数: 4,654名(2022年3月31日現在)

https://www.0101maruigroup.co.jp/

取り組みのきっかけ

 

1931年の創業以来、創業者が社員を家族のように考えて健康に力をいれておりました。1970年に開設された丸井健保会館がその象徴となり、先代の社長もことあるごとに社員に人間ドックの受診を勧めたこともあって、丸井グループでは自然と健康経営が企業文化として培われてきました。

 

その価値観が今のグループのミッションである『すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創る』につながっています。がんや障がいに限らず「すべての人」を包摂したしあわせで豊かな社会を創ることを社員全員が心がけています。

 

風土づくり

 

◆共創理念

丸井グループは『すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会をともに創る』をグループのミッションに掲げております。「すべての人」とは、「お客さま」「お取引先さま」「将来世代」「地域・社会」「株主・投資家」に加えて「社員」を含めた6つのステークホルダーを指しており、その実現のためにはイキイキと活力にあふれ、自らが「しあわせ」を感じられる社員が増えることが必要であり、そのベースこそが、健康(=ウェルネス)であると位置づけています。

 

健康な社員はもとより、病気の社員も含めたすべての社員が、社会のしあわせに向けて働く場が丸井グループであり、この共創の理念はすべての社員に浸透しています。

 

◆リテラシーの向上によるがんへの理解浸透

・各事業所に管理職からなる健康管理委員と女性のウェルネスリーダーを配置しています。女性ウェルネスリーダーは「女性の健康検定」を受検して資格を取得することでリテラシーを高め、社員に対して乳がんや子宮頸がんの教育を実施するとともに、乳がん検診、子宮頸がん検診の受診を促進しています。

 

・「日本健康マスター検定」の資格取得補助をおこない、1,500人を超える社員が資格を取得し、がんをはじめ生活習慣の改善の必要性を学ぶことで、各自が予防に努める風土づくりをしております。

 

・経済産業省の補助事業 「令和4年度ヘルスケアサービス社会実装事業」である 「カラダシルプロジェクト」に参画しています。また、「女性のための健康相談窓口(オンライン)」の導入や子宮頸がん受診率向上のためのオンラインセミナーを実施しました。これらにより、社員のヘルスリテラシー向上と医療機関相談への敷居を低くし、がんの予防および早期発見に繋げております。

 

◆社内イントラネット等による制度の周知

・全社員がアクセスできる社内イントラネットで傷病休職制度について周知しております。体調がすぐれない中でも必要な情報を得ることができるよう、人事部および保健師による動画を掲載しています。休職中の社員が孤立感を抱かないよう、また退職を考えないよう「復職を待っている」というメッセージを強く伝えております。

 

相談できる環境づくり

 

◆がんに罹患した社員に対しては、直属上司、所属長、人事部、産業医、保健師が連携を密にして、休職制度や休職中の金銭面のサポート、休職明けの勤務体制などについて相談に乗ることで、療養中の社員の不安を払拭して治療に専念できるような万全なサポート体制を敷いています。

 

・休業が長期にわたる社員には休み始めから3か月を目安に本人、上司、人事部、産業医、保健師で面談を実施しています。web面談も含め、休業者の状況に合わせ柔軟に対応しています。

 

・休職中の社員は復職に際して産業医が面談を実施、体調や治療についての相談に充分にのったうえで作成する所見をもとに人事部が勤務時間や勤務地・職種を考慮して復職する体制をとっています。

 

・復職後も半年間は、保健師が健康調査票等を通じてサポートを実施しています。また必要に応じて、産業医、人事部、所属部署と連携できる体制をとっています。

 

◆外部EAPと契約しており、社内で相談しにくい事項についてはそちらを案内しております。

 

制度

 

◆早期発見

・定期健康診断の受診率は毎年100%にのぼります。そのうち40歳以上の社員については、がんの早期発見に向けて、毎年約7割の社員が人間ドックを受診しています。これは単独健保である丸井健康保険組合が人間ドック施設のある自前の健保会館を保有しており、「40歳になったらドックを受けるもの」という風土が醸成されていることと、本人の費用負担が10,000円のみということが寄与しています。

 

・事業所の巡回定期健診の中に乳がん検診のメニューが付加されており、就業時間中に受診ができます。当社では30歳以上の希望者を対象とするなど乳がん検診に注力した結果、40歳以上の検診受診率83.2%(2020年)にのぼります。

 

・抵抗性が強いとされている子宮頸がん検診(細胞診)の未受診者対策として子宮頸がん「HPVセルフチェック」を20代、30代の女性社員を対象に実施中です。

 

◆働き方

・年次有給休暇の時間単位取得制度の導入

年度内で5日(半日単位で10回、時間単位で5日分)を上限に取得することが可能です。半日単位で取得可能であった制度から、2021年4月に1時間単位での取得も可能になり、治療を受けながら就業する際にさらに利便性が向上しました。

 

・テレワーク規程の新設

2021年4月にテレワーク規程を新設。本社はほぼ全ての部署がテレワーク可能でしたが、規程を新たに設けることにより、これまで以上に安心してテレワークが出来るようになりました。治療期間中の身体的負担を軽減する働き方にも対応する制度です。

 

・特別休暇制度(有給の通院・入院休暇)

仕事と治療の両立支援のための特別休暇制度です。通院や入院、医師の診断による自宅療養が必要と診断された場合、1事由に付き20日の特別休暇を付与します。(2020年4月に新設)

 

その他の取り組みやエピソード

 

がんを告知され混乱している社員に対し、上司がサポートに困っておりました。また社員自身は、治療と仕事の両立にあたり詳細な人事制度の説明を求めました。加えて、告知からすぐの段階であったため、病気の受容が十分に出来ていないため、上司との関係が不安定になりました。

 

そこで、人事部と保健師がサポートに加わりました。人事制度の詳細および休・復職の後の流れを説明し、病気、休業に関する不安に寄り添いました。上司、人事、産業保健職の3者で治療と仕事の両立の支援が出来現在も進行中です。

 

抱負

 

・職場にがん罹患者がいる場合の周囲や上司対応 仕事と治療の両立の仕方などの共有会

 

・がん罹患者同士の交流会

 

講評・コメント

 

・「女性のための健康相談窓口(オンライン)」の導入や子宮頸がん受診率向上のためのオンラインセミナーを実施されるなど、がんの予防や早期発見に繋げる取り組みを進められています。

 

・がんを告知された社員の方と上司の方に対して、必要に応じて人事部と保健師の方がサポートをされたエピソードから、臨機応変な対応をされていることが伝わってきます。

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