がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2022ゴールド】ブラザー工業株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2022ゴールド】ブラザー工業株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2022に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:ブラザー工業株式会社

業種: 製造業

従業員数: 3,867名(2022年3月末現在)

https://www.brother.co.jp/

取り組みのきっかけ

 

シニア雇用の増加や将来の雇用年齢の引き上げを見据えた中で、働きながら病気治療をする人の増加が予想され、病気になっても安心して働ける会社でありたいと、2019年度から治療と仕事の両立支援に力を入れるようになりました。

 

風土づくり

 

◆創業者には仕事がなくて働けない人に仕事を作りたい、みんなが健康で笑って働ける愉快な工場をつくりたいという思いがあり、1908年の創業時から従業員を大切にし、健康を意識するような会社でした。

 

◆2016年9月にブラザーグループ健康経営理念を制定し、従業員の一人ひとりが明るく楽しく元気に活き活きと持っている能力を発揮できる職場環境を目指し、様々な活動を行っています。

 

◆2020年度には社内制度や病気の理解・支援方法をまとめたガイドラインを作成し、社内イントラネット上に公開しています。

 

◆毎年2月を両立支援月間と称し、治療と仕事の両立事例を発信するなど、両立支援活動の周知を行っています。

 

◆病気で長期にお休みをした場合は、健康管理センターの産業医・保健師が、職場上司や人事担当者の間に入って職場復帰の調整をしています。

 

◆がん患者さんやそのご家族を支援し地域全体でがんと向き合いがん征圧を目指すチャリティー活動であるリレーフォーライフ(RFL)にブラザーグループの世界中の拠点が参加しています。日本では独自のオンラインサバイバートークを3年前より実施。従業員のがん経験者(サバイバー)から、直接話を聞く機会を作っています。

社会貢献活動|社会(S)|サステナビリティ|ブラザー (global.brother)

 

相談できる環境づくり

 

◆健康管理センターには産業医5名、保健師7名が在籍しており、病気になった従業員と職場・人事労務・主治医などと連携し、働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。健康相談窓口を開設し、本人や従業員からの相談に応じる体制を整えています。

 

◆「がんだった」「がんかもしれない」という情報を入手すると、産業医・保健師から声をかけ、現状と心配事がないかを確認をしています。相談のあったタイミングにより、社内で使える制度や復帰までの流れを紹介し、安心して治療・仕事復帰ができるように情報提供を行います。

 

◆医療的な確認が必要な場合は、産業医から主治医に向けての診療情報提供書を作成し、治療・復帰が円滑に進むように具体的なアドバイスをいただいています。

 

◆がんに限らず、治療と仕事の両立に関して、「サポートしたい」「相談したい」というメンバーが手を挙げ、2022年3月から社内のピアサポート活動を始めました。まずは同じ立場の従業員同士がつながり、支え合える場を作ることを目指しています。ピアサポート活動として、座談会などを企画しその内容を社内に向けて発信しています。

 

制度

 

◆35歳以上の希望する従業員に対し、がん検診がセットになった健康診断を実施しています。がん検診受診率は例年95%前後です。100%を目指し様々な情報提供を行っています。

 

◆2020年度からがんに関する取り組みをまとめ、楽しみながらがんについて知ってもらう『がんスタンプラリー』を始めました。2022年度は「がんと関係するタバコとアルコール」「早期発見のための二次検査の重要性」をテーマに、情報提供やセミナーを行っています。資料閲覧やセミナー参加、前述のRFLの取り組みなどでスタンプが貯まる内容です。

ブラザー工業株式会社|パートナー企業・団体コンソノート一覧|パートナー企業・団体|がん対策推進企業アクション (mhlw.go.jp)

 

◆治療と仕事を両立しやすい職場づくりを目的に2019年度は育児・介護に加え疾病との両立を目的とする短時間勤務制度を設立しました。既存のフレックス制度や短時間勤務を利用して、治療と仕事の両立をしやすい環境が整いました。

 

その他の取り組みやエピソード

 

◆がんに罹患した従業員が社内イントラネット上に公開したガイドラインを確認し、健康管理センターに自ら相談に来てくれた方がいました。仕事に熱心な方で、キャリアへの不安も大きかったと思います。そのような状況でしたが、自分だけで抱え込まず、ガイドラインを参考に上司・健康管理センタースタッフと治療や今後の仕事について具体的に話し合い、治療に臨むことができました。

 

現在、その従業員は治療を終えイキイキと業務をこなしています。具体的な治療スケジュールや本人の仕事への思いを職場に伝えることで、治療と仕事の両立をサポートできたケースだと思います。また健康管理センターが提供したガイドラインが役立ったこともスタッフとしては嬉しく感じました。

 

抱負

 

2022年3月にスタートしたピアサポート活動を社内で定着させ、誰もが知っている活動にすることを目指しています。また、その活動を通して、治療と仕事の両立についての社内全体の理解を深め、必要な時には安心して相談できる・支えあえる風土、体制を作って行きたいと考えています。

 

講評・コメント

 

・健康管理センターで産業医5 名、保健師7名の体制を構築し、病気になった従業員と職場・人事労務・主治医などと連携し、働きやすい職場環境づくりの土台を力強く整えられています。

 

・がんスタンプラリー、「がんと関係するタバコとアルコール」「二次検査の重要性」をテーマにした情報提供やセミナーを実施されるなど、着実に取り組みをアップデートされています。

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