がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2022 ゴールド】サッポロビール株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2022 ゴールド】サッポロビール株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2022に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:サッポロビール株式会社

業種: 酒類製造業

従業員数: 2,162名

https://www.sapporobeer.jp/

取り組みのきっかけ

 

健康保険組合のデータ上、がんの検査・治療を受けた社員数が想像以上に多かったことから、2017年に人事部として「治療と仕事の両立支援ガイドブック」の作成に取り掛かり、実際のがん経験者も入って推進することとした。

 

風土づくり

 

◆生活習慣病健診(健康保険組合が実施する健康診断、がん検診相当の項目含む)について、会社からも費用を一部補助し、就業時間中に受診可能な制度とした上、会社側からも積極的に受診勧奨を実施している。

 

◆2017年に策定した「がんなどの治療と就労の両立支援ガイドブック」を本年改定。がんアライ部のモデル両立支援ガイドブックも参考に、がん経験者の社内コミュニティ「Can Stars」のメンバーが改定に参画し、本人編・上司編・同僚編の3編を当事者の視点を大事にしながら完成。社内イントラに掲載することで、がんに罹患した社員が治療と就労の両立に当たり必要な情報をいつでも閲覧できるような環境整備を継続している他、社外リリースにガイドブック各編(社内版をごく一部のみ伏字)のリンクを付け、他企業の参考にして頂くべく社外公開した。

 

◆がん経験者の社内コミュニティ「Can Stars」に関し、社内会合や社外協働の活動をイントラネットでほぼ隔月発信している他、一般社員が昼休みに気軽にメンバーの話をオンラインで聞ける「Can Starsカフェ」を昨年からスタートし、当初の体験談の紹介に加え、本年は改定版「両立支援ガイドブック」のポイントやがん検診の重要性をテーマにして当事者視点に基づく社内意識啓発を行っている。

 

相談できる環境づくり

 

◆人事・上司・産業医・保健師が、定期的に状況確認・相談できる体制を整えている。

・上司とは定期的に個人面談をする制度があり、その中で治療や仕事について相談できる体制を整備している。

 

・全国事業場に産業医・保健師を配置しており、健康面での相談がしやすい体制を整えている。

 

・自分の健康や家族事情を含めて、キャリアのことを社内のキャリア相談員にいつでも相談できるキャリア相談制度がある。

 

◆がんを罹患した社員への情報提供元や相談先としてのCan Starsの活用依頼を、Can Starsとして全国事業場の人事総務部部署に昨年発信し、実際に地方事業場やグループ会社の人事総務部門を通じた相談対応依頼が寄せられている。

 

 制度

 

◆失効した有給休暇を治療等に充当できる積立休暇に加え、時間有休・スーパーフレックス・テレワークを導入し、柔軟な勤務が可能になることで治療を続けながら就労継続できる体制を整えている。

 

◆がんに罹患した社員・その上司向けに2017年に作成した「治療と就労の両立支援ガイドブック」を本年改定し、社内イントラに掲載。治療と就労の両立にあたり必要な情報や当事者の体験談、本人の両立だけでなく上司・同僚の両立支援のポイントをすぐに得られるよう体制を整備している。

 

◆治療と仕事の両立に使える治療短時間勤務制度を導入している。

 

◆昨年からがん検診を含む生活習慣病健診の案内時にCan Starsメンバーの声を入れて受診を働きかけている。

 

◆2017年の「サッポログループ健幸創造宣言」に基づき、日常の中で健康に関する話題を増やす身近な健康推進者として「健康アンバサダー」を2020年より任命し、定期的に「健康アンバサダー勉強会」を開催している。

 

その他の取り組みやエピソード

 

◆昨年からCan Starsの参加資格を従来の「がんを経験した社員本人」のみから「がん経験者の家族・遺族である社員」を加えて拡大したことを受け、本年実際に遺族である社員が参加した。当事者として、グループ内の他事業会社のメンバーも参加し、必要な人に情報が届いている証としてCan Starsメンバーが増加傾向にある。

 

・昨年、Can Starsの参加資格の拡大を踏まえてがんアライ宣言を改定し、社長とがんサバイバー代表、産業保健スタッフが一緒に宣言した写真と共に改めて通達で社内周知した。

 

・「Can Stars」は他企業等との交流も行う中、一般社団法人CSRプロジェクトを中心にWorkCAN’sの枠組みで進める「企業内ピアサポーターの育成」を側面支援し、昨年2回、本年既に1回の合同研修開催に当たって他企業7,8社に声掛けして、活動の重要性の理解促進や社会の中で働くサバイバーのつながりの形成にも取組んでいる。

 

◆WorkCAN’sの課外活動として、生活者の強い思いをもとにビールの商品化を実現する自社の仕組みを活用し、がんサバイバーの思いに基づく「生きている喜びを心から実感できるビールづくり」に昨年から取組んだ。昨年から今年にかけて延べ250名参加のオンラインワークショップを開催し、社会の中の同じような思いの人たちをつないで「Thanks & Cheers!」という商品が完成し、本年7月に他企業等も連携でメディア向け発表会を開催して大々的に発信した上、8月に正式発売(通信販売方式)した

 

◆2019年以降、サッポログループのサステナビリティ重点課題の中長期目標に「がん治療中・介護中の社員が働き続けられる環境整備を行う」ことを盛込んでおり、これまでのがんアライアワード・ゴールドの受賞に関しても、社内周知に加えて社外にもリリースを発信し、社外向けの「サステナビリティブック」や「株主通信」にも掲載してきた。

 

抱負

 

サッポロビールは決して特別な会社ではなく、自社でできることを当事者の思いを大切にしながら一つひとつ積み重ねてきました。今後もこの姿勢を継続し、自社内の取組みと社外協働、自社の取組みを発信して社会全体を牽引することと社会の向上を刺激として自社の取組みをさらに進めること、これらの好循環をさらにつくっていくべく引き続き取組んでまいります。

 

 講評・コメント

 

・自社で作成された「がんなどの治療と就労の両立支援ガイドブック」をがん経験者の社内コミュニティ「Can Stars」のメンバーが参画し、本人編・上司編・同僚編の3編を作成。社内イントラに掲載の他、他企業の参考が参考に出来るよう社外公開されています。

 

・CSRプロジェクトを中心にWorkCAN’sWorkCAN’sの課外活動など、社外へも取り組みも広げられています。

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