がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2022シルバ-】平安伸銅工業株式会社の「がんと就労」施策  

【がんアライアワード2022シルバ-】平安伸銅工業株式会社の「がんと就労」施策   

がんアライアワード2022に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

シルバ-受賞:平安伸銅工業株式会社

業種: 卸小売業(ファブレスメーカー)

従業員数: 81名(契約社員含む)

https://www.heianshindo.co.jp/

 

風土づくり

 

◆経営がメンバー一人ひとりに対してヒアリングを実施&経営とのパネルトーク

・雇用形態に関わらず、経営二人がメンバー一人に対し二十五分間の面談を実施いたしました。現在当社ではリモートワークを実施していることから、経営とメンバーが顔を合わせる機会が持てていなかったため、この面談によって各メンバーが経営に対して、自身の近況や経営への意見・相談などを直接伝えられる機会となりました(なお、メンバーに対する評価を目的とした面談ではありません)。

 

・また、クォーター毎に開催している「ヘイアンクォーター会」では、経営とメンバーによるパネルトーク(公開質問会)の実施を開始いたしました。ヘイアンクォーター会を運営するメンバーが中心となり、アンケートを通してメンバーから経営への質問を収集し、メンバーが経営や会社の方針に関して普段疑問に感じていることを聞くことができる場づくりを行いました。

 

このように経営とメンバーの距離をより近づける取り組みは、メンバーががんに罹患した際にも相談しやすい環境づくりに貢献できているのではないかと考えております。

 

 

◆エンゲージメントサーベイの導入とチームづくり運営

組織の状態を見える化し、組織⇔メンバーのズレを明らかにすることで、よりメンバーの私らしい暮らしの応援や、いきいき働ける環境づくりに尽力するため、エンゲージメントサーベイを開始いたしました。雇用形態を問わず、当社で働くメンバー一人ひとりから匿名で回答を募っています。

 

匿名での回答であることから、メンバーからの素直な意見が集まりやすく、がんの罹患者に限らず、組織におけるマイノリティな意見が顕著に現れ、「組織で働く個人」にも焦点を当てた環境づくりに力を入れることができると考えております。

 

また、本音で話せるチームづくりに活かせるよう、リーダー以外のメンバーがファシリテーションを担当し、チーム全体でサーベイ結果の振り返りと次につなげるアクションなどを話し合う「チーム作戦会議」を設けています。これらの取り組みは、チームビルディングや事業推進にも役立つと考えております。

 

◆会社の規則をメンバー自身が変えていけるプロジェクトの継続実施

有志のメンバーが集まり、「就業規則について身近(会社からの一方向的なものではなく、双方向的なもの)に考えてもらうため」「プロジェクトでの議論や内容を通して、メンバーに様々な視点・価値観にふれる機会を作る」という目的のもと、議論や社内へのヒアリングを通じ、すでにある規則にメンバー自身が新たな制度や修正を加えました。

 

<昨年度>

婚姻関係やジェンダーの多様性にフォーカスし、規則の修正や新たな程度の追加を行いました。

 

<今年度>

リモートワークへの移行やメンバーの経歴・世代の多様化により、「会社で働く服装」について認識のずれが起きていたことから、弊社での「ドレスコード」のあり方について改めて考え直す機会を設けました。

 

メンバー自身が前例にとらわれず目的志向で自分たちのルールについて考え、自分たちの手で変えていくこれらの活動は、より弊社の考え方やメンバーそれぞれの実情にあった規則に都度アップデートしていける環境の土台となっております。このような柔軟性は、メンバーやその家族ががんに罹患した際も、安心して働ける環境にもつながると考えております。

 

◆ヘイアンバリューの浸透活動

弊社のビジョン「アイデアと技術で「私らしい暮らし」を世界へ」を達成するための価値観として、9つのヘイアンバリュー(コアバリュー)を掲げています。

 

「私らしい暮らしを実践しよう」「違いを大切にしよう」などメンバー一人ひとりの存在を尊重するバリューを掲げており、制度以外の面でも個人のプライベートやお互いの個性を尊重し合う環境づくりを心がけています。

 

また、バリューをメンバー一人ひとりに理解してもらい、大切にしたい価値観として認識してもらうため、有志のメンバー(固定メンバーではなく、年度によってメンバーが変わります)が社内へのバリューの推進・浸透活動を行っています。

 

▼直近のバリュー施策の例

・キックオフで「推しバリュー」を紹介

メンバーそれぞれが自分の「推しバリュー」(お気に入りのバリュー)を書いたシートをZOOMの背景にし、キックオフに参加しました。また、キックオフ内ではZOOMのアンケート機能を使った推しバリューの人気投票なども行いました。このような取り組みにより、バリューの自分ごと化の促進を行いました。

 

・バリュープロジェクト

昨年度は、有志のメンバーが約半年かけてヘイアンバリューを「平安伸銅で働いている私たちを後押しし、応援してくれるような一人ひとりの心のツールにする」というテーマで考察し、「「ヘイアンバリューの研究発表」という形で社内発表を行いました。

 

バリューが浸透するにつれて一部のメンバーが持つようになった「バリューに沿った行動ができているか否かが評価につながるのではないか」という不安に対し、「評価とバリューは異なるものであり、バリューはそれぞれの心の中で行動を後押しするもの」としてプロジェクトメンバーなりの定義づけを行い、社内への浸透活動を行いました。

 

 

このようなヘイアンバリューは、メンバー一人ひとりの暮らし・生活・状況に向き合い、その人らしい働き方を応援する風土のベースにもなっており、メンバー自身がより安心して働ける環境にもつながると考えております。

 

相談できる環境づくり

 

◆ネクストメンター制度の開始

これまで新卒1年目のメンバーにしか実施していなかったメンター制度(メンタルケアを目的とし、他部署の担当者と1ヶ月に1度面談する制度)を、新卒2年目や中途入社してきたメンバーに対しても、本人が希望すれば活用できる「ネクストメンター制度」の導入を行いました。このような制度を導入することで、もしメンバーが同じ部署に所属する上司や同僚には相談できなくても、他部署のメンバーに悩み事などの相談がしやすい関係づくりを促進しています。

 

◆外部相談窓口との連携と社内への通知

人事担当に限らず、メンバーであれば誰でも24時間電話にて健康相談ができるサービスとの提携を行っております。また、相談内容に応じて専門医を手配できるセカンドオピニオンアレンジサービスや、メンタルケアカウンセリングサービスなども併用しており、がんに限らず、その他の病気や育児、介護、メンタルヘルスなど、様々な相談を外部の専門窓口と直接やりとりすることが可能です。

 

 

◆タイワの実施(1on1)

少なくとも月1度、プライベートや仕事に関係なく、メンバー自身が感じた不安や悩み、モヤモヤしていること、良かったことなどを所属グループの上長にとことん聴いてもらう「タイワ(1on1)」の時間を設けています。時には上長からアドバイスを行うこともありますが、「価値観を共有し、普段の業務のコミュニケーションを円滑にする」ということを目的としているため、基本的には上長は「メンバー自身の話にしっかりと耳を傾ける/聴く」という姿勢を重視し、取り組んでいます。

 

また、月1度の定期的なタイワの時間以外にも、メンバーが「こういう時どうしたらいいんだろう」「不安だから誰かに相談したい」と感じた時は都度タイワし、タイワの内容を元にメンバーに対する個別の対応を行っています。

 

◆グループ朝礼 / 昼礼 / 夕礼

毎日各グループの朝礼または昼礼、夕礼を実施しています(グループによって実施する時間帯は異なります)。

 

その日のタスクなど業務上の連絡事項はもちろんですが、最近起こったプライベートな話やちょっとした相談をする雑談の場にもなっています。

 

また、リモートワークにて仕事を行う中で実際にメンバー同士が会って話す場がほとんどなくなっているため、「相手の人となりがよくわからない」「名前と顔と仕事内容しか知らない」という状態で仕事をしているメンバーも少なからずいます(特にコロナ禍で入社した新入社員など)。そのため、週1回は朝礼または昼礼、夕礼の時間内に15分程度メンバー同士の雑談の時間を設け、お互いの価値観や近況、人となりを知る時間機会を意識的に設け、メンバー同士の関係づくりに力を入れています。

 

◆コロナ禍におけるメンバー同士の関係づくり

クォーター毎にそれぞれのグループの業務状況や日々業務の中で感じた感謝の気持ちや協力してほしいこと、知ってほしいことなどを共有しあう「クォーター会」の実施を開始しました。リモートワークが主となっている現在、直接会って話す機会があまり持てないからこそ、このような場を持つことでメンバー同士が自らの弱みを見せあいつつもお互いを信頼して目標に向かえる関係づくりや会社全体の一体感の醸成を行っています。

 

このようなメンバー同士の関係づくりを継続的におこなうことは、メンバーががんに罹患した際の相談しやすい環境につながると考えます。

 

▲クォーター会の様子

 

◆slack「雑談チャンネル」の運用

在宅勤務により、メンバー同士で気軽な雑談ができる場がリモートワーク導入前よりも減ってしまったことから、slackに「雑談チャンネル」を作成し、運用しています。仕事に関することやプライベートなことを含め、メンバーの「ちょっと誰かに共有したいこと」を共有。

 

どんなテーマで話しても良い「雑談全般チャンネル」に加え、「家庭」「スキルアップ」「エンタメ」とジャンルに分けた雑談チャンネルも派生して運用しています。

 

◆グループレクリエーション制度

グループのメンバー同士のコミュニケーションを活性化させるため、グループでのレクレーション費用の一部を会社が負担しております。新型コロナウイルス感染症の影響により物流センター以外のほとんどのメンバーがリモートワークを実施している現在は、多くのグループがオンラインにて懇親会を実施しています。

 

制度

 

◆リモートワークの実施

現在当社では、勤務体制としてリモートワークと出社のハイブリット型を採用しております。この勤務体制を導入することにより、メンバー一人ひとりの多様な働き方・働きやすさを応援しております。また、一部ではメンバーの持病など、個人の事情に合わせてハイブリット型の制度自体を変更するなどの対応も行っております。

 

◆簡易人間ドックの実施

毎年の健康診断は全てのメンバーが簡易人間ドックを受診し、がんなど重病の早期発見に向け取り組んでいます。

 

通常、一般検診のみの受診を必須とする企業が多いかと思いますが、弊社の場合は一般検診と付加検診の両方を全額会社負担で受診することを必須としています。

 

▼一般検診・付加検診についての参考資料

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/kenshin/2022/2022seikatupanfu.pdf

 

◆フレックスタイム制(コアタイム有り)

さまざまな背景を持つメンバーが働いていることから、勤務時間を各自で設定できる「フレックスタイム制」を導入しており、メンバー一人ひとりの多様な働き方を応援しています。

 

例えば、「今日は通院日だから病院に行ってから仕事をしよう」「郵便局に行きたいから早めに終わろう」など、それぞれの事情に合わせ、出勤・退勤時間を日によって変更することが可能です。

 

講評・コメント

 

・メンバー自身が自分たちのルールについて考え、自分たちの手で変えていく活動が社内に浸透しており、仮にがん罹患者が就労について相談をしたとしても、今ある風土や環境があれば対応してもらえそうな期待感があります。

 

・メンター制度の対象を広げ、相談できる環境づくりを進められています。

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