がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2021 ゴールド】株式会社四国日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2021 ゴールド】株式会社四国日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2021に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:株式会社四国日立システムズ

事業内容:システム構築事業、システム運用・監視・保守事業、ネットワークサービス事業、情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発

従業員数:261人(2021年3月31日現在)

ウェブサイト:https://www.shikoku-hitachi-systems.co.jp/

取り組みのきっかけやエピソード

 

・近年、がんと共存することが珍しくない時代となり、がんに罹患しても安心して働きつづけられる環境整備を検討していたところ、当社親会社「株式会社日立システムズ」の熱心な取り組みに共感し、連携開始。

 

・まずはセミナーで実体験談をお話いただける講師の方をご紹介いただき、がんの早期発見・早期治療の大切さ、がんに罹患しても安心して働きつづけられる制度やサポート体制等伝えることで、従業員への意識付けの場を設けたことがきっかけ。

 

・実際、従業員ががんに罹患し、職場復帰に不安を抱いていたが、安心して働きつづけられる制度やサポート体制をお伝えし、いつでも相談できる関係を保ちながら、問題なく就労している。

 

・また、今年度からは保健師による全従業員個別面談を実施しており、従業員一人ひとりが自身の健康について あらためて考えるきっかけとなるよう、働きかけている。

 

・当社親会社の「㈱日立システムズ」が、がんアライ部アワードで3年連続「ゴールド」賞を受賞。がんと就労に関するセミナー開催や、職場理解を深めるための施策を活発に行っていることに共感し、親会社との連携を密にして、当社でも活動を取り入れている。

 

・LGBTをはじめ、障がい者や病気治療中の方が、必要なときに相談しやすい風土づくりとして、当社オリジナルの「ALLYステッカー」を作成し、賛同者に配布。PCや携帯電話に貼ることで、ALLYの浸透と見える化を促進。

 

・在宅勤務中でも当事者が不安にならないよう、社内イントラ上に「治療と仕事の両立支援」ホームページを開設して関連情報を掲載するとともに、パソコン起動時のポップアップメッセージやメールマガジンや等を利用して、プッシュ型の情報発信をおこなっている。

 

・各執務室にデジタルサイネージを設置し、健康についてのプチ情報(生活習慣病予防策、コロナ対策等)を随時発信し、従業員がいつでも新しい情報を得られるよう、気づきの機会を提供している。

 

・がんについて考えるきっかけとなるよう、がんアライアワード受賞について社外ホームページに掲載し、社内でも情報を共有している。

 

風土づくり

 

◆毎年3月の人間ドック申込み時期に合わせ、35歳以上の全社員に対して、がん検診メニューと補助金申請方法等を案内する通知メールを発信。検診受診率の向上をめざしている。

 

◆2018年9月より、四国4県にて「がんと就労を考える:がん予防と早期発見セミナー」を開催し、これまでに50名以上が参加。 乳がん・食道がんを経験された日立グループ社員を講師にむかえ、検診・発見から治療・仕事の両立に至るまでの実体験談や、治療と仕事を両立する上で実際に利用した制度・工夫点などを伝えることで、自分や家族の健康について自分事として考えていただく機会としている。

 

・併せて人事・総務スタッフからは、がんに罹患したときに使える会社制度や、がん検診メニューと補助金制度、仕事と治療の両立支援サポート体制等の説明を行い、がんに罹患しても相談しやすい風土づくりをめざしている。

 

・講話後は、受講者同士で感想や疑問点、がんになっても安心して働き続けられる職場づくりについてシェアし、グループごとに発表の場を設けたり、セミナーの様子を社内イントラネットに掲載することで、全従業員へがんに対する意識啓発を図っている。

 

◆2021年度は禁煙セミナー・乳がんセミナーをオンラインで開催し、乳がんセミナーについては、家族の理解も必要であることから、家族と一緒に視聴できるよう開催時間を定時後に設定した。

 

・また、各種セミナーのアーカイブ動画を公開し、セミナーに参加できなかった方が視聴できるようにすることで、自分や家族の健康について考える機会を作った。

 

相談できる環境づくり

 

◆がん治療をしている社員への勤務上の配慮検討のために必要な情報は、社内保健スタッフが主治医と情報連携し、配慮検討に必要な情報展開を会社側(人事・総務スタッフ)に行っている。

 

◆「本人」「所属上長」「産業医」「保健師」「人事・総務スタッフ」が一体となり、個々人の治療状況に応じて職場復帰から復帰後のフォローアップまでをサポートする体制を立ち上げ、社内ホームページやセミナー等を通じて全従業員へ周知している。

 

◆がんの治療状況別に、治療と仕事の両立支援制度を整理して一覧表に纏めた、本人が所属上長に相談する際や、産業医・保健師・人事・総務スタッフが両立支援サポートを実施する際に、この一覧表を見ながら会話することで、相談しやすい環境づくりやスムーズなサポートができるよう、工夫した。

 

◆2021年4月より、保健師による全従業員個別面談を実施中。時間をかけて従業員一人ひとりの話を聞き、個別の健康状態や悩みを把握することにより、問題の早期発見・予防に努め、何事も相談しやすい職場づくりを心掛けている。

 

制度・配慮

 

◆人間ドック時のオプションとして各種がん検診の受診を推奨しており、がん検診受診者には、健康保険組合から補助金を支給している。

 

◆仕事と治療の両立支援として、フレックス勤務、時間単位年休、時差出勤等の柔軟な勤務・休暇制度あり。

 

◆実際にがんに罹患し、治療は継続しながら職場復帰される方については、「職場復帰支援プログラム」を立ち上げ、通勤訓練や慣らし勤務(時短勤務)等、個人の治療方法や体調に合わせて柔軟に対応し、完全復帰をめざすよう、配慮している。

 

◆当社は2017年度より、「働き方改革」「健康経営」「ダイバーシティ」「コミュニケーション」の4つの項目を統合的に進め、中長期的な発展と業績向上をめざすべく、企業活力向上活動『四国S3(エスキューブ※)活動』を発足。各部門に推進役を設け、現場の生の声を吸い上げる体制を作ることで、働きやすく、相談しやすい環境づくりに努めている。(※Sの3乗『Smart(活発に活動し)』 『Satisfaction(皆を満足させ)』 『Smile(皆を笑顔に)』)

 

◆働き方ハンドブックを社内イントラネットに掲載し、従業員が利用できる制度等を、いつでも閲覧できるようにした。

 

◆2020年12月より、遠隔禁煙プログラムを導入。電話・タブレット端末を使用し、遠隔により病院に行かずに禁煙外来を受診できる禁煙プログラムで、全額会社負担(一部健康組合負担)で実施している。

 

◆保健師が健診結果を確認し、再検査等の場合の受診フォローを行い早期治療に繋げている。

 

◆私傷病休暇制度、半日単位や時間単位でも取得できる年次有給休暇、フレックスタイム勤務に加え、2021年4月からは、働きながら治療を続けるニーズが高まっていることを受け、がん治療他を対象とした「治療勤務制度取扱規則」を新たに制定し、治療の際の短時間勤務や在宅勤務を利用可能とした。

 

講評・コメント

 

・禁煙セミナー・乳がんセミナーをオンラインで開催され、乳がんセミナーについてはご家族と一緒に視聴できるよう開催時間を定時後に設定されアーカイブ動画も公開するなど、自分や家族の健康について考える機会を提供されています。

 

・保健師による全従業員個別面談を実施されています。従業員一人ひとりの話に耳を傾け、個別の健康状態や悩みを把握することで、問題の早期発見・予防、相談しやすい環境づくりを進められています。治療と仕事の両立に対して、正面から取り組まれている姿勢が伝わってきました。

 

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