がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2021 ゴールド】花王株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2021 ゴールド】花王株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2021に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:花王株式会社

事業内容:家庭用製品、化粧品、食品、工業用製品の製造、販売

従業員数:8,112人(連結対象会社合計 33,409人) 

ウェブサイト:https://www.kao.com/jp/

取り組みのきっかけやエピソード

 

・花王は生活に密着した商品をお届けする会社ですので、生活面をサポートすることでがん治療と仕事の両立にも貢献できることがあるのではないかと考え、社外においても、志を同じくする仲間のみなさまと情報を発信していきたいと考えるようになりました。

 

またがん罹患に限らず、社内でも社員一人ひとりの多様な個性・価値観を尊重し、全員が熱意と能力を最大限に発揮できる環境の実現を目指したいと考え、社内での取り組みも行っております。

 

◆社内外の取り組み

・“がんになっても動揺しない社会へ”を目指して活動する活動団体一般社団法人CancerXのオンラインイベントWorld Cancer Week2021において、運営ボランティア、協賛企業として参画しました。がんにまつわる様々な課題を、医・産・官・民・メディアなど様々な立場から多角的に議論する場づくりを行いました。

 

・AYA世代のがん経験者の団体アグタス(AYA GENERATION + group)が企画したオンラインイベント「AYA祭り」にて、がんサバイバー向けのメイク・スキンケア講座を開催しました。アグダスメンバーや参加者の方と対話形式で行い、メイクやスキンケアについて、がん治療のリアルなお悩みが寄せられました。今後もメイク・スキンケア講座を行うことで、「がん治療と就労」支援の取り組みをしていきたいと思います。

 

・花王ハートポケット倶楽部は、2004年に開始した花王グループ社員による社会的支援を目的としたクラブ組織です。クラブの趣旨に賛同する社員が会員となり、毎月の給与から任意の金額を積み立て、よりよい社会づくりをめざし、社会課題の解決に取り組む活動に役立てています。

 

・LGBTに関する社員の理解のためにも、e-ラーニングや研修を実施、多目的トイレの表示整備やLGBTアライの表明活動をし、疾病だけでなく多様な社員とインクルーシブに働いています。

 

・花王グループの聴覚に障がいをもつ社員と聴者の社員が、有志で「KAKEHASHI(かけはし)」社内コミュニティを立ち上げました。多様な社員が集うインクルーシブなコミュニティで、聴覚にまつわる様々な社会課題解決に向けた取り組みを行っていきます。

 

風土づくり

 

◆花王は2008年にトップメッセージとして花王グループ健康宣言をおこない、「健康づくり」5つの取り組み(1. 生活習慣病、2. メンタルヘルス、3. 禁煙、4. がん、5. 女性の健康)を中心に健康づくり活動を推進しています。

 

・花王では、「ヘルスリテラシーの高い社員を増やす」ため、健康づくり活動の見える化をすすめ、PDCAサイクルを回しながら社員の健康度を上げていく「健康経営」に取り組んでいます。

 

・また、社員の健康に関するルールや情報を事業場の安全衛生委員会等やイントラネットを通じて、社員へ分かりやすくお知らせするとともに、社員が病気に罹患し、就業が困難となりうる場合は、まずは相談しようという(上司・人事・産業保健スタッフ)風土づくりを心がけています。

 

◆2007年から「花王グループ ピンクリボンキャンペーン」を実施しています。乳がんのみならず、ご自身や大切な人の健康を考えるきっかけとしていただきたいと考え、社内外に対して様々な活動を行っています。

 

*:2021年現在での社内制度になります。

 

相談できる環境づくり

 

◆各事業場には健康相談室があり、産業医・看護職に社員が困ったことを相談できる体制を整えています。また、相談室専用のメールアドレスや女性の健康相談窓口等もあり、様々な方法で相談することが可能です。

 

◆また、社員が疾病を抱えながらも不安なく働き続けられるよう産業保健スタッフが定期的なフォローアップを実施するとともに、疾病を抱えながらの働き方について、上司、人事、産業医、看護即が本人と相談をしながら最適な働き方を共に考えています。

 

◆罹患後の社内のキャリアや仕事の悩みについては、社内カウンセラーに相談をしたり、こころの不安については、外部EAPに相談することもできます。

 

*:2021年現在での社内制度になります。

 

制度・配慮

 

◆がんの早期発見と早期治療のため、定期健康診断にがん検診項目があり、女性に関しては、乳がん・子宮がん検診も健診項目に含まれています。

 

・若年女性のがんの罹患もあることから、若年層からのがん検診も推奨しています。

 

・健康診断結果を受け、健康相談室からの二次検査の受診勧奨や再検査後のフォロー体制も充実しています。

 

◆がんを含む私傷病に対する支援として、有給の「私傷病特別休暇(勤続・年齢により20勤務日・40勤務日)」、家族の看護・介護対する支援として「看護・介護特別休暇(勤続・年齢により20勤務日・40勤務日)」が付与されており、入院や通院による治療のために利用することができるため、社員自身の治療(入院・通院)および、社員の家族の疾病等に伴う看護ケアに集中することが可能です。

 

◆年次有給休暇は、1日単位、半日単位(半日休暇)だけでなく、1時間単位(時間単位休暇)で取得することが出来るため、がんに罹患した際も、働きながら治療・通院ができ、フォローアップの診察等も定期的に受診が可能です。

 

◆出社と在宅勤務を組み合わせて働くことができます。在宅勤務は、各部門が設定する業務特性や組織運営上の利用上限の範囲内で、がんなどを含む私傷病の通院の場合にも、事由を問わず利用することができます。

 

◆月間フレックスタイム制を導入しているため、1ヶ月単位の変形労働時間制に基づき、1ヶ月の所定就業時間を変更することなく、1日の就業時間を延長又は短縮裁量で勤務時間を柔軟に決めることができるため、治療と仕事の両立がしやすい環境が整っています。

 

◆社員間の共済会からは、休業に伴い、見舞金が支給されます。

 

◆花王には、疾病や傷病により休暇・休職に入るときから復帰後の対応の流れを示した職場復帰ガイドラインがあり、本人の職場復帰に向けて、本人、上長、人事、産業看護職が、確認しあう体制が取られています。

 

◆健康保険組合からは、医療費が高額になった場合、一定の基準に基づいて計算した自己負担額の限度額を超えた場合、超えた額が「高額療養費」として支給されます。加えて、休業中に給料等の支給がない場合は、「傷病手当金・傷病手当付加金(給与の85%)」が支給されます。

 

*:2021年現在での社内制度になります。

 

講評・コメント

 

・一般社団法人CancerX のオンラインイベントに運営ボランティア、協賛企業として参画されたり、AYA 世代のがん経験者の団体アグタス(AYA GENERATION + group)のオンラインイベントでがんサバイバー向けのメイク・スキンケア講座を開催されたりと、社会に向けた取り組みを進められています。

 

・聴覚に障がいをもつ社員と聴者の社員の有志で「KAKEHASHI(かけはし)」社内コミュニティを立ち上げられるなど、社内でもインクルーシブな風土づくりが進められていることが伝わってきます。

 

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