がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2021 シルバー】株式会社ZINEの「がんと就労」施策

【がんアライアワード2021 シルバー】株式会社ZINEの「がんと就労」施策

がんアライアワード2021に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

シルバー受賞:株式会社ZINE

事業内容:Webサービス運営(オンラインがん相談サービス CancerWith)

従業員数:6人

ウェブサイト:https://zineinc.co.jp/

取り組みのきっかけやエピソード

 

・代表取締役CEO 仁田坂ががんアライであることを意識したきっかけ

 

代表者自身が「がんが治る水を作る機械(80万円)を祖母が購入」「母の乳がん罹患」といった体験を経て、がんに対する社会課題を認識。CancerWithの立ち上げに至りました。

 

また、高校の恩師が被差別部落集落のアライとして活動に従事していたことに影響を受け、がん患者のみならず、女性・男性などの性差、身体障害の有無、人種、国籍、文化的背景、被差別部落出身であるなど出自に依らずがんと共存し仕事ができる組織を目指すようになりました。

 

・担当者・取締役COO 二宮ががんアライであることを意識したきっかけ

 

私は28歳で乳がんに罹患し、治療のため8ヶ月の休職をしました。当時の会社は、休職から復職まで柔軟に対応してくれた上、復職後もがんであることを問わず職務内容をフラットに評価してくれました。それによって、休職によって一瞬だけ途切れたキャリアもすぐに元に戻り、現在に至るまで自信を持って仕事に取り組んでいます。

 

しかし多くの同じような病気の方たちと知り合う中で、そういった体験は貴重であると気づきました。若くしてもがんに罹患してもキャリアは継続し、望む仕事をできるということを、取締役という立場でより多くの方々に伝えていきたいと思います。

 

風土づくり

 

◆「がんにかかわるすべての人の本質的な悩みに寄り添い、自分らしく生きる世界をつくる」をミッションに掲げる株式会社ZINEは、がんのアライであることはもとより、がんに関わらず差別や偏見なく働ける職場づくりと、ダイバーシティとインクルーシブの文化醸成に取り組んでいます。

 

これは、がん患者のみならず、性差、障害の有無、人種、国籍などの文化的背景や出自に依らず、一律です。

 

◆ミッションの制定

株式会社ZINEは2020年、自分たちの企業がどうあるべきかを問い、
「がんにかかわるすべての人の本質的な悩みに寄り添い、自分らしく生きる世界をつくる」と、がんに取り組む企業として、ブログやSNSでもがんの情報発信を行う企業として、がんのアライであることを追求する姿勢をミッションに掲げました。

 

・がんにかかわるすべての人とは、がん患者本人、その家族、友人、職場の同僚、主治医、医療従事者、その他のがんにかかわるアドバイザー、製薬企業、生命保険会社、食品メーカー、寝具メーカー、ウィッグメーカーなど、さまざまなステークホルダーを指します。

 

私たち株式会社ZINEは、がん患者本位を実現します。

 

がんの告知を受けたとき、一度に考えないといけないことがたくさんあります。治療もあれば、家族への相談、職場への報告、お金の不安などなど。でも、多くの人が悩みを一人で抱えてしまっています。

 

そんな現状を解決したい。2人に1人がかかる病気だからこそ、がんをわかりやすく、かんたんに。複雑にからまった悩みを、小さくときほぐし、解決可能にする。

 

がんにかかわるすべての人の本質的な悩みに寄り添い、自分らしく生きる世界をつくりたいと私たちは考えています。

 

◆CancerWithロゴ

ミッション制定に伴い、ロゴを制定しました。

 

弊社が運営するCancerWithは、がん患者が無料でアドバイザー(看護師、社労士、キャリアコンサルタントなど多職種のチームが解決)に相談できる、オンラインがん相談サービスです。いつでもがん患者が専門家に相談できる、という世界を体現しており、サービスでも、会社組織としても、がん患者へ寄り添い、がんとともに(CancerWith)進もうとする人を応援したいと考えています。

 

 

◆CancerWithの「C」「W」を模したロゴは人と人が手を取り合っている様子と∞(無限大)を表現しています。

 

いわゆるメビウスの輪をモチーフにデザインし、表と裏の区別が付かないことを表しています。これは、がん患者もアドバイザーも表裏一体で、患者がアドバイザーになることや、逆にアドバイザーが患者になることも、いずれの能性があることを表しています。可能性は∞(無限大)。いままで活用されにくかった医師以外の知見を組み合わせることで、がん患者には無限の可能性があることも示します。

 

◆ピンクリボン運動への賛同

CancerWithでは #ピンクリボン 活動に賛同し、顧問の勝俣先生との対談を実施するする等、乳がんに対する意識啓発を行いました。

 

◆医師 勝俣範之先生をまじえて、全社・全アドバイザー参加のMeetupを定期開催

全社メンバー、アドバイザー参加のMeetupを開催。ここには弊社顧問の日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科医 勝俣範之医師も参加。がんとともに生きる上で私たちに何ができるか、これからどういうことが行えそうか、など意見交換を行いました。この取り組みはがんに対する教育と自己啓発のため、半年間に一度、継続して行っていく予定です。

 

◆リテラシーの向上によるがんへの理解浸透

就業時間中にも「がん、医療」に関するWebinar・講演・講義などの受講を積極的に行っています。

 

・また、がん患者さんの生の声を知るべく、役員をはじめ、業務委託のメンバーも一丸となりヒアリングに同席するなど、実際に罹患した体験やそれを取り巻く周囲のアライ(他企業に所属し活動する方など)がどのような取り組みを行っているのか、聞き続けています。この取り組みは週に1回程度、継続的に行う予定です。

 

・また、役員陣のリテラシー向上は何よりも欠かせないと考え、全役員の「一般社団法人 日本癌治療学会公認 認定がん医療ネットワークナビゲーター」の認定取得を目指し、受講を進めており、1年以内に役員の認定がん医療ネットワークナビゲーター認定取得率を100%にします。全国に500人程度しかいない資格ですでに米国では標準となった、がんのアライであることを知識の面でも補うこの制度。一般企業に勤める非医療者の認定取得者は全体の3%以下に留まる(職種が公開されている2018年の数字)など、珍しい取り組みですが、これも社内での正しい啓蒙活動に欠かせない取り組みであると理解し、1年以内の取得を目指しています。

 

◆AYAがんと職場復帰への取り組み

AYA世代(15〜39歳)のがん患者は全体のがん罹患者数と比較し、1年間の罹患人数が少ないため、なかなか支援が行き届いていないのが現状です。しかしAYA世代は壮年期であり、まだまだ元気に働きたいと希望する方が多いもの。取締役COOは自身も28歳のときに乳がんに罹患したAYA世代のがんサバイバーです。また、代表取締役CEOは一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会に正会員として加入、思春期・若年成人がん領域における医療と支援に関する知識の蓄積を高め、社員ががんに罹患した際のフレキシブルな対応を積極的に検討する体制がある。

 

相談できる環境づくり

 

◆オープネス

企業文化としてオープネス(Openness、開放性)を重視。透明性とコラボレーションに重点を置き、情報や個人の取り組みを開示していこうという考え方です。このために規律を定め、本人が周囲に公開したくない情報など、本人の意思に基づいた個人情報は守られるよう、全社利用の権限管理に一律のルールを敷いています。

 

・がんになってもフラットに相談できる環境づくりを整えています。

 

・スタートアップ企業が数多く生まれるアメリカでは、「オープンサラリー(給与公開)」制度を導入し、会社運営の透明性を高めたり自社のブランディングを図る企業が増える中、現在、その制度採用も含めて検討を開始しました。

 

・社員の給与がどのように計算されているのか、社員がストックオプションか給料かを選択できるようにしたうえ、個々の社員は何を重視しているのか、役職、経験、居住地などにもとづく計算式をインターネット上に公開することも検討。社内の仕組みや情報、サービス面全てにおいて透明性を上げるよう努力していきます。

 

・これにより会社としての競合優位性を保つために、将来的にはがんにかかわるアドバイザーやメンバーの給与の底上げになると考えています。がんにかかわる全ての人の本質的な悩みに寄り添うためには、思いを搾取したり、すり減らしている暇はないと考えており、積極的に検討していきます。

 

◆1on1制度

週に一度のメンバー間同士の1on1ミーティング(以下、1on1)を推奨しています。1on1はメンバー同士が1対1で行う対話のことです。評価面談とは大きく異なり、メンバーの成長を促進することが主目的のひとつです。その中でなかなかOpenにはコミュニケーションできないがん罹患時の相談なども積極的に乗る体制があります。定期的にメンバーとその上司、またメンバー同士がそれぞれ1対1でコミュニケーションを取る機会があり、業務に関すること以外にもキャリアやプライベートに関することを相談できるのです。

 

制度・配慮

 

◆オンラインがん相談サービスCancerWithの運営により、がん患者さんの持つ本質的な理解を深め、会社の組織開発・制度の制定に活かしています。

 

講評・コメント

 

・全会社メンバー、アドバイザー、顧問医師によるMeetupで、がんとともに生きる上で自分たちに何ができるかなど意見交換を実施されています。がんに対する教育と自己啓発をかねた他社が参考にしたくなる取り組みを行われています。

 

・がん罹患者には100人100通りの副作用や要望があることを前提とした、フレキシブルな対応が必要であることを認識され、柔軟な制度運用をされています。

 

>>「がんアライアワード 2021」受賞企業と事例集一覧はこちら

 

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