がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2020 ゴールド】日本オラクル株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2020 ゴールド】日本オラクル株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2020に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:日本オラクル株式会社

事業内容:IT

従業員数:2500人

ウェブサイト:https://www.oracle.com/jp

取り組みのきっかけやエピソード

 

・がんに関わらず、ダイバーシティ&インクルージョンの考えを発展させ、誰もが働きやすい職場環境づくりを目指す一環として推進している。特定のマイノリティにのみフォーカスするのではなく「すべての社員」がインクルーシブに働ける環境が必須という認識。

 

・投薬治療が必要だった社員が、投薬期間は上司との合意のもと勤務時間短縮で最低限必要なメールチェックなどを行い、休薬期間は自宅から勤務することで、すべてのクールを勤務をしながら乗り越えた。ただし本人は「自分は副作用が少なかったからであり、この働き方がすべての人に適応可能ではない」とコメントしており、一律の制度制定ではなく、個別対応が重要だと認識している。

 

・また放射線治療が必要だった社員は平日25日間、毎朝通院してから出社をしていたが、裁量労働制のため特に休暇取得をすることなくこの期間を乗り切ることができた。それを実現するため、上司を含めチームメンバーが会議時間の設定など可能な限りで配慮をしてくれた。

 

風土づくり

 

◆社員の多くが裁量労働制で働いているため、がんに限定せず治療やその他の私的な用件がある際に、上司と合意の上で半休や時間休を取ることなく、平日の日中でも用件を済ませることができる。

 

・不妊治療、介護、看護、出産準備、育児、がん治療等々、用途を限定しないことで、逆にがん患者でも躊躇せずに治療と仕事を両立することが可能。

 

・役職者、人事担当者、社員が上記を理解しているため、がんだからすぐに辞めるということを考えずにすむ土壌がある。

 

◆休暇に関しては年間20日(勤続年数に関わらず全社員に付与)の年次有給休暇に加え、本人及び家族の傷病疾病時の介護・看護に利用できる傷病休暇(有給)を年間5日間付与している。

 

相談できる環境づくり

 

◆社員が体調面で不安に思った際には、産業医と健康面談が可能。

 

◆また社員誰もが健康をはじめとしてなにか悩み事があればEAP(Employee Assistance Program)という仕組みを通じて、外部のカウンセラーへの相談ができる。この仕組みは中途採用を含めた入社オリエンテーションで人事が説明し、また社内でもことあるごとに相談窓口の紹介を伝えている。

 

◆がんに罹患した社員が希望した場合、本人、人事担当者、上司、産業医、保健師とで連携し、適切な勤務プランを合意する環境がある。

 

制度・配慮

 

◆社員は年に1回の健康診断が必須。未受診者には、リマインドメールが送られ、診断漏れを防いでいる。35歳以上からは胃、乳房、子宮の検査項目がある。

 

◆社員が入れる団体扱い保険にがん保険、所得補償保険があり、個人よりも割安に加入する事が可能。

 

◆また、会社が団体長期障害所得補償保険に加入しており、病気等で長期の休養が必要になった際に標準報酬月額の50%を最長60歳まで保証される仕組みがあるが、希望する社員はこれに上乗せして保険に加入することも可能であり、会社として追加分を補助をする仕組みがある。

 

◆育児に限定せず、時間限定勤務を採用することもできるので、がんからの復職時に、体調によっては勤務時間を限定した働き方ができる。

 

◆また、在宅勤務制度も整っているため、療養場所から勤務を継続することも可能。

 

講評・コメント

 

投薬治療中の社員が投薬期間は時間短縮して勤務し、休薬期間は自宅勤務を行い、すべてのクールを勤務をしながら乗り越えられたエピソードをお持ちです。その上で、罹患者の個別性に着目され、一律の制度づくりや運用ではなく、個別対応が重要であるとの認識を持たれていることから、罹患者にとって働きやすい風土が醸成されていることが伝わってきました。

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