がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2020 ゴールド】株式会社ポーラの「がんと就労」施策

【がんアライアワード2020 ゴールド】株式会社ポーラの「がんと就労」施策

がんアライアワード2020に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:株式会社ポーラ

事業内容:製造販売業(化粧品メーカー)

従業員数:1,557人(2019年12月末現在)

ウェブサイト:https://www.pola.co.jp/

 

取り組みのきっかけやエピソード

 

・前社長の横手が就任当初、全国のショップを巡った際に、がん治療に向き合いながらポーラの仕事を続ける仙台の伊藤千津子オーナーに出会ったこと。

 

・伊藤オーナーは前向きに仕事やボランティア活動に取り組むことで、同じ病気と闘う人を含め、地域の多くの人に元気を与えていました。その姿を通して人と人との関係性から生まれるポジティブな可能性を改めて感じ、「ここにこそポーラが大切にしたい価値がある。新しい働き方・新しい価値・新しい文化を現場とともに『共創』していきたい」という想いからスタートした。

 

・ここ数年マネジメント改革を実践。「共創型組織」をテーマに展開している。その中ではダイバーシティの啓蒙や、働き方改革を同時に進めている。結果として、がんを始めとする病気や介護を抱えるメンバーなども働きやすい環境づくりにつながっている。

 

風土づくり

 

<はじめに>

ポーラは、従業員だけでなく、お客さまに商品を販売する個人事業主であるビジネスパートナー「ビューティーディレクター」* と共にある企業。ビューティーディレクターは、お客さま個々人の肌・体調に合わせた商品・サービスを提案する弊社の要となる存在である。そのため、2018年より進めている「がん共生プログラム」は、従業員だけでなく、ビジネスパートナーも含めた取り組みであることが最大の特徴である。

 

また、従業員・ビジネスパートナーだけにとどまらず、すべての人がかけがいのない存在として認め合う社会の実現を目指していきたいと考えている。

 

2020年は、自社内の制度整備や風土づくりの次のステージとして「社会全体のがん罹患者に対するエンパワーメント」をテーマに掲げ活動を展開。

*1:約4万1,000人(2019年12月現在)

 

<がん罹患者に対するエンパワーメント活動>

コロナの影響によりリアルイベントの開催が難しく以下2点に活動を集中させ展開。

 

①広報強化によるがん罹患者への理解啓蒙活動

・キャンサーXイベント トークセッションへの及川社長出演(キャンサーX:Collaborate、Change、Cross outを軸にがんと関わりあっていくことを目的とするイベント)

 

がん罹患=仕事を諦めるのではなく、がんと共に働き生きていくリアルな事例として反響大。

 

 

・朝日新聞社行っている「ネクストリボンーがんとの共生社会を目指してー」キャンペーンの協賛

 

・AERA ―がんと向き合いながら働くー掲載

 

 

②ショップに募金箱を設置し寄付金を募る

昨年まで行われていた、チャリティーイベント「リレー・フォー・ライフ」がコロナの影響により全国で中止に。対がん協会への募金額が激減し、「今年は有望ながん研究者の海外留学を断念した」と聞き、リレー・フォー・ライフのナショナルスポンサーでもある弊社が少しでもがん治療の一助になれたらとの想いから全国のショップに呼びかけ約700店舗の有志で募金活動を実施。12月に対がん協会へ寄付を行う予定である。

 

また、罹患者への理解、早期発見・早期治療の重要性を訴える啓蒙VTRを作成し、全国へ配布。ビジネスパートナーと共に学び、共に行動を起こしている。

 

 

③第6回地球女性からだ会議2020大賞」受賞

一連の「がん共生プログラム」は、社員のみならず、ビジネスパートナーも含めて健康のサポートを行っている、今後働き方の多様化が進む社会において非常に重要な取り組みの一つとの評価をいただき、一般社団法人シンクパール「第6回地球女性からだ会議2020大賞」を受賞。

 

>>参考

 

日本の、世界の、誰一人取り残さない社会、誰もが自分自身の可能性の翼を広げ、自由に羽ばたける機会を創出できる社会をつくる一翼になる企業を目指していきたい。

 

◆「がん共生プログラム」は、がんに罹患したポーラで働く仲間が仕事を諦めることなく、「就労と治療」の両立をいかに実現できるかを考え、設計したプログラムである。

 

◆がんに対する理解を深めることを目的に、

・就労サポート制度がまとめられたプログラムブックの配布

・がんに対する基礎知識や最新の活動状況を月に1回以上更新するイントラネット

がんが、より身近なものであるという意識を高める活動を行っている。

 

相談できる環境づくり

 

◆社内のがん経験者が自身の経験をプログラムブックやイントラネットで公表し、その経験を社内で大切な価値として共有している。がん経験者が自らサバイバーであることを公表することにより、新たに罹患した人が年齢や組織を超えて相談できる体制を整えた。

 

◆病院の先生には聞きにくいことや医学用語が難しく罹患者が理解できない場合等は、看護師や保健師が常駐している健康管理センターにいつでも相談できるようになっている。また、セカンドオピニオンを希望する場合は産業医に相談し、本人の希望を聞き適切な病院を紹介してくれる環境がある。

 

制度・配慮

 

【従業員】

◆健康増進・早期発見の取り組み

・年1回の健康診断時では、がん検診・婦人科検診をワンストップで受診することが可能。

 

30歳以上の女性が受診できる乳がん検診では、マンモグラフィーか超音波検査を自分で選べます。子宮頸部細胞診と子宮経腟超音波は全年齢に補助。男性の前立腺がん検診も50歳以上に補助している。婦人科検診の受診率は約80%。

 

健康診断はもちろんのこと、再検査についても業務時間内受診の容認、交通費の支給。上長も関与しながら積極的に促してる。

 

・健康増進と意識の向上を目的とし、健康月間を設け、社員食堂で健康メニューを提供。

 

・2018年5月からは、従業員が健康診断の結果をわかりやすく理解できるようにPepUp(ペップアップ)というwebサービスを導入し、情報提供・フィードバックを行っている。

 

◆治療支援

・傷病短時間勤務制度:1日最短4時間を所定労働時間として勤務が可能

・時間単位有給休暇制度:1時間単位で有給休暇の取得が可能

・傷病退職カムバック制度:退職から最大2年間まで、退職時と同様の社員区分にて再入社可能

・フレックスタイム制:コアタイムの前後は、原則として自由に出退社ができる制度

・リモートワーク:全従業員を対象とした制度

通院のある日、治療の副作用による体調不良の時などにも使用可能

・復職後の有給休暇が早期に付与される制度:従来よりも早期に有給を付与。治療しながらワークライフバランスを考慮した就労が可能に

 

【ビジネスパートナー】

◆健康増進・早期発見の取り組み

・ビューティーディレクター(ポーラ福祉共済事業団* 会員の約1万人対象)に対しては、がん検診にかかる費用の一部補助。

 

・ビューティーディレクターを束ねる約230人* のグランドオーナーへは、「GOドッグ」と呼ばれる総合健診を全額会社負担。

 

・さらに半期に一度行われる優秀者を対象とした表彰式で、乳がんのセルフチェックブースを構えるなど、がん対する知識を習得する機会を積極的に設けている。

*2  ビジネスパートナーの互助組織

*3  2019年1月1日現在

 

◆治療支援

・ビューティーディレクターの収入を一部サポートする制度を設け、がん治療で長期間販売活動ができなくなった場合でも、安心して治療を受けられ、復帰しやすい環境を整えている。

 

・そして、ポーラ福祉共済事業団会員を対象とした、復帰・両立サポートに新制度を導入。スムーズな復帰をさらに後押している。

 

個々の状況に応じてがん治療の初期費用の一部を補助する「治療応援金」

治療による外見変化に対する費用を一部補助する「アピアランスサポート」

復帰時に必要な物の購入等に使える「ショッピングポイントの付与」

 

新型コロナウィルスの感染拡大による影響に応じて新しく始めた「がんと就労」の取り組み等に関するエピソード

 

新型コロナウィルスは、持病がある方は重篤化するリスクが高いことから、該当者には、在宅ワークの指導や特別休暇の付与など、健康優先で過ごしていただく配慮を全社的に実施した。

 

講評・コメント

 

ビューティーディレクター(ポーラ福祉共済事業団 会員の約1万人対象)に対して、がん検診にかかる費用の一部補助されたり、ビューティーディレクターを束ねるグランドオーナーへは総合検診を全額会社負担されたりするなど、従業員だけでなくビジネスパートナーも含めて「がんと就労」というテーマに対して本気で取組まれている強い意志が伝わってきます。
また、がん罹患者への理解啓蒙活動として、キャンサーX のイベントに登壇されたり、有志約700店舗で募金活動をされたりなど、一企業としての取組みにとどまらず、広く社会にまで活動を広げています。

 

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