がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2020 シルバー】株式会社九州日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2020 シルバー】株式会社九州日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2020に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

シルバー受賞:株式会社 九州日立システムズ

事業内容:システム構築事業、システム運用・監視・保守事業、ネットワークサービス事業、情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発

従業員数:515人(2020年3月31日現在)

ウェブサイト:https://www.kyushu-hitachi-systems.co.jp/

取り組みのきっかけやエピソード

 

・がんによる休業者が増加し、がんに罹患したご家族の看護のため、休職するケースも発生。休職前に、従業員の方と、休職の手続き、利用できる制度、職場復帰に関する説明を行う中で、、就労継続に対する不安、復帰後定期的な受診への理解が十分得られるか、家事・育児との両立、経済的不安など、様々な不安を抱えていることが明らかになった。がんに罹患しても安心して働きつづけられる制度やサポート体制があることを伝えるため、取り組みを開始した。

 

・がんに限らず、就業に影響を及ぼす病気に罹患した際、職場上長へ相談、その後の人事総務、産業保健スタッフと連携するという流れが構築されており、スムーズに連携が図れている。

 

・チームでサポートすることで、医療職からの専門的支援、人事総務から利用できる会社制度の説明、職場上長による業務調整を行うことで、治療と仕事を両立することができるという安心感、療養への専念につながっていると感じている。

 

・復職後も、産業医・保健師により、治療状況や主治意見を確認しながら、職場へ合理的配慮をお願いし、治療と就労の両立を支援している。日頃から職場内でこまめなコミュニケーションを図りながら相談しやすい関係性を築いておくことが重要と感じている。

 

風土づくり

 

◆毎年3月の人間ドック申込み時期に合わせ、35歳以上の全社員に対して、がん検診メニューと補助金申請方法等を案内する通知メールを発信。検診受診率の向上をめざしている。

 

◆2018、2019年外部・内部講師による「がんセミナー」開催。 

・がんを経験された日立グループ社員を講師にむかえ、検診・発見から治療・仕事の両立に至るまでの実体験談や、治療と仕事を両立する上で実際に利用した制度・工夫点などを伝えることで、自分や家族の健康について自分事として考えていただく。また、日立保険サービスより、がん保険・医療保険の内容(近年の保険内容の傾向等)について学ぶ機会としている。

 

・会の冒頭で、経営幹部が自ら、身近な方のがん罹患体験談を話したことで、従業員の心理的安全性が高まり、質疑応答や対話が非常にスムーズに進んだ。

 

・疾病への理解が深まり、職場内での助け合い・支えあいの意識・行動が高まった。

 

相談できる環境づくり

 

◆がん治療をしている社員への勤務上の配慮検討のために必要な情報は、社内産業保健スタッフ(主として産業医)が主治医と情報連携し、配慮検討に必要な情報展開を会社側(人事・総務スタッフ)に行っている。

 

◆「本人」「所属上長」「産業医・保健師」「人事・総務スタッフ」が一体となり、個々人の治療状況に応じてサポートする「仕事と治療の両立支援サポート体制」を、社内イントラを活用して周知している。

 

制度・配慮

 

◆人間ドック時のオプションとして各種がん検診の受診を推奨しており、がん検診受診者には、健康保険組合から補助金を支給している。

 

◆仕事と治療の両立支援制度として、フレックス勤務、時間単位年休、時差出勤等の柔軟な勤務・休暇制度あり。

・2020年10月からは、働きながら治療を続けるニーズが高まっていることを受け、がん治療他を対象とした「治療勤務制度取扱規則」が新たに制定され、短時間勤務(7時間、6.5時間、6時間、5時間)や、在宅勤務制度を利用可能となった。

 

新型コロナウィルスの感染拡大による影響に応じて新しく始めた「がんと就労」の取り組み等に関するエピソード

 

・在宅勤務中でも当事者が不安にならないよう、社内イントラ上に「治療と仕事の両立支援」ホームページを開設して関連情報を掲載するとともに、ニュース等を利用して、プッシュ型の情報発信をおこなっている。

 

・新型コロナウィルス感染拡大防止のため、2021年3月までは原則在宅勤務となったことから、対面による集合型のセミナーや座談会の開催が困難となった。このため、オンラインによるセミナーや、当事者が情報交換できる場などを検討中。

 

講評・コメント

がんによる休業者等が発生したことから、罹患しても安心して働きつづけられる制度やサポート体制があることを伝えるため、取り組みを開始されています。
今年度からは「治療勤務制度取扱規則」が新たに制定し、短時間勤務や、在宅勤務制度を利用可能としています。
地域特有の労働環境に合わせた、環境・制度づくりをさらに進められることを期待しています。

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