がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2019 ゴールド】株式会社ポーラの「がんと就労」施策

【がんアライアワード2019 ゴールド】株式会社ポーラの「がんと就労」施策

がんアライアワード2019に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:株式会社ポーラ

業種: 製造販売業(化粧品メーカー)

従業員数: 1,621名(2018年12月末現在)

ウェブサイト:https://www.pola.co.jp/

取り組みのきっかけやエピソード

 

・弊社社長の横手が就任当初、全国のショップを巡った際に、がん治療に向き合いながらポーラの仕事を続けるポーラ ザ ビューティー 仙台南店のオーナーの活動を知ったことが全国展開のきっかけです。

 

・仙台南店オーナーは前向きに仕事やボランティア活動に取り組むことで、同じ病気の方を含め、地域の多くの人を元気づけています。その姿を通して私たちは「人と人との関係性から生まれるポジティブな可能性こそ、ポーラが大切にしたい価値である」と改めて気付かされました。新しい働き方・新しい価値・新しい文化をビジネスパートナーとともに『共創』していきたい」という想いから「がん共生プログラム」はスタートしています。

 

・昨年は、治療と就労の両立に向けた制度改定を行うとともに、社内啓発の一環で従業員とビューティーディレクター用のプログラムブックをそれぞれ作成。当年も社内支援制度の充実をはかりながら、さらに、社会的にもがんに関する知見やがん検診の重要性を広めるべきと考え、弊社内のがん経験者のアイデアを盛り込み、公益財団法人 日本対がん協会様の監修のもと、オリジナルの啓発ブック『がん検診を受けましょう』を発行。様々なイベントでの配布を通じて、がん検診受診率が少しでも高まり「早期発見」「早期治療」の一助となれればと考えております。

 

・がん共生プログラムを始めてまだ2年目ではありますが、すでにこの共創は社内に留まらず、リレー・フォー・ライフなどの支援イベント等にもつながっており、全国各地域でがんと向き合う輪が広がっています。

 

風土づくり

 

<はじめに>

ポーラは、従業員だけでなく、お客さまに商品を販売する個人事業主であるビジネスパートナーである「ビューティーディレクター」* と共にある会社です。ビューティーディレクターは、お客さま個々人の肌・体調に合わせた商品・サービスを提案する弊社の要となる存在です。そのため、現在進めている「がん共生プログラム」は、従業員だけでなく、ビジネスパートナーも含めた取り組みであることが最大の特徴です。

 

今後も従業員・ビジネスパートナーだけにとどまらず、すべての人がかけがいのない存在として認め合う社会の実現を目指していきたいと考えています。

 *1:約4万5,000人(2018年12月現在)

 

ポーラ がん共生プログラム3つのテーマ

 

1.がんに対する理解を深める

がんと共に生きることが身近なことと理解し、がんと共に生きるために大切なこと(早期発見、治療環境、患者本人や家族の悩み、心構え)を深く学んでいきます。

 

2.安心してがんと向き合う

一人ひとりがかけがえのない存在として認め合う関係の中で、安心して治療や看護に専念できるよう、心のケアや不安要素の低減をサポートします。

 

3.経験を大切に学ぶ

がんと向き合った経験そのものを貴重なものと捉え、その経験を会社全体で理解し、共有しあえる風土の発展に努めます。

またその経験を社内に留めることなく、広く社会にも伝えていきます。

 

◆上記「がん共生プログラム」は、がんに罹患したポーラで働く仲間が仕事を諦めることなく、「就労と治療」の両立をいかに実現できるかを考え、設計したプログラムです。また、弊社は女性の多い職場であることから産休・育休の取得者が多く、長期休職や時短勤務など多様な働き方に対する仲間からの理解があり、がんに罹患し、働き方に制限のある仲間に対しても同様、認め合う風土があります。

 

◆がんに対する理解を深めることを目的に、

 

・がんに対する基礎知識や就労のサポート制度などが掲載されたプログラムブックの配布やイントラネットの開設

 

・がんについて正しい知識を持ってもらうために定期的な「健康セミナー」等の実施など、がんがより身近なものであるという意識を高める活動を行っています。

 

相談できる環境づくり

 

◆社内のがん経験者が自身の経験をプログラムブックやイントラネットで公表し、その経験を社内で大切な価値として共有しています。がん経験者が自らサバイバーであることを公表することにより、新たに罹患した仲間が年齢や組織を超えて相談できる体制を整えつつあります。

 

◆病院の先生には聞きにくいことや職場での不安ごとなどは、健康管理センターに常駐している看護師や保健師にいつでも相談できるようになっています。また、セカンドオピニオンを希望する場合は産業医に相談し、本人の希望を聞き適切な病院を紹介してくれる環境があります。

 

制度:従業員

 

◆健康増進・早期発見の取り組み

 

・年1回の健康診断時では、がん検診・婦人科検診をワンストップで受診することが可能です。30歳以上の女性が受診できる乳がん検診では、マンモグラフィーか超音波検査を自分で選べます。子宮頸部細胞診と子宮経腟超音波は全年齢に補助。男性の前立腺がん検診も50歳以上に補助しています。婦人科検診の受診率は約80パーセントです。健康診断はもちろんのこと、再検査についても業務時間内受診の容認、交通費の支給。上長も関与しながら積極的に促しています。

 

・健康増進と意識の向上を目的とし、健康月間を設け、社員食堂で健康メニューを提供。

 

・2018年5月からは、従業員が健康診断の結果をわかりやすく理解できるようにPepUp(ペップアップ)というwebサービスを導入し、情報提供・フィードバックしています。

 

◆治療支援

 

・傷病短時間勤務制度:1日最短4時間を所定労働時間として勤務が可能

 

・時間単位有給休暇制度:1時間単位で有給休暇の取得が可能

 

・傷病退職カムバック制度:退職から最大2年間まで、退職時と同様の社員区分にて再入社可能

 

・フレックスタイム制:コアタイムの前後は、原則として自由に出退社ができる制度

 

・リモートワーク:全従業員を対象とした制度(原則として週2日まで)

通院のある日、治療の副作用による体調不良の時などにも使用可能

 

・有給休暇の付与基準変更:復職後に、早期に付与される制度

 

・治療しながら心身のバランスを取って就労できる制度を随時追加しています。

 

制度:ビジネスパートナー

 

◆健康増進・早期発見の取り組み

 

・ビューティーディレクター(ポーラ福祉共済事業団*2 会員の約1万人対象)に対しては、がん検診にかかる費用を10,000円まで実費補助。

 

・ビューティーディレクターを束ねる約230人*3 のグランドオーナーへは、「GOドッグ」と呼ばれる総合健診を全額会社負担。

 

・半期に一度行われる優秀者を対象とした表彰式で、乳がんのセルフチェックブースを構えるなど、がん対する知識を習得する機会を積極的に設けています。

*2 ビジネスパートナーの互助組織

*3 2019年1月1日現在

 

◆治療支援

 

・ビューティーディレクターの収入を一部サポートする制度を設け、がん治療で長期間販売活動ができなくなった場合でも、安心して治療を受けられ、復帰しやすい環境を整えています。

 

・ポーラ福祉共済事業団会員を対象とした、復帰・両立サポートに新制度を導入します。※9月導入

 

個々の状況に応じてがん治療の初期費用の一部を補助する「治療応援金」

 

治療による外見変化に対する費用を一部補助する「アピアランスサポート」 

 

復帰時に必要な物の購入等に使える「ショッピングポイントの付与」 

 

スムーズな復帰をさらに後押しします。

 

講評・コメント

 

「がん共生プログラム」を従業員だけでなく、約45,000人にのぼるビジネスパートナーにも適用されており、「がんと就労」というテーマに対して本気で取り組まれている強い意志が伝わってきます。

 

一連の取り組みの端緒は、社長と罹患された1人のオーナーとの出会いでした。職場やその周辺の出来事に目を向けて、そこで働く人に思いを馳せて風土・環境・制度づくりに活かしていった姿勢は、他の企業の人事担当者・経営者にとって参考になるものです。

 

がんに関連したチャリティイベントにビューティーディレクターが積極的に参加されるなど、社外に向けた啓蒙活動まで行われています。

 

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