がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

三井化学株式会社の「がんと就労」施策【ゴールド受賞】 - がんアライ部

三井化学株式会社の「がんと就労」施策【ゴールド受賞】 - がんアライ部

第1回がんアライ宣言・アワードに寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:三井化学株式会社

事業内容:ヘルスケア・モビリティ事業など

従業員数: 17,277人

創業:1997年

ウェブページ:https://www.mitsuichem.com/jp/

 

がんアライ宣言

産業医、上司、職場が協力し、がんに罹患した社員の治療と就業をサポートします。

取り組みの背景や特色

  • もともと安全や健康への意識が高く、その領域の施策に感度が高い。制度として特殊なものはないが、既存の制度を活用し、その人の病状や体調・治療、仕事内容や職場で可能な配慮を把握した上で、休職期間や勤務の仕方を調整している。

 

  • 自社の健康の課題に関する制度については、産業医等の意見を加味して検討している。個別の対応をするときは、社員、産業医を中心として職場と人事が連携して対応を考える。

 

制度

  • がん検診を受診しやすくするために通常の検診に組み込んだり、集団検診として実施したりする一方、自身の受けたい病院での個別の検診を認めたりしている。すべての結果は医療職の社員が確認し、受診勧奨を行い、精査結果の確認も行う等、早期発見・早期治療をサポートしている。その為、がん検診にて早期で発見できているがんは多い。

 

  • 産業医が本人からの相談を受け、必要に応じ疾患や病院、会社制度についてアドバイスを行っている。また、復職時や復職以降も産業医が体調や治療の状況を確認し、本人や上司と調整しながら就業上の配慮の検討を行っている。フレックス、半日年休等の既存の会社制度では対応ができない場合は、人事部が産業医からの意見を基に、個別に必要な対応を検討している。

 

  • 現在検討中の制度として、「1日単位で取得できる特別休暇」がある。使わなかった有給休暇を最大60日まで貯めて療養の必要な病気等の際に使える制度であるが、これまではケガや手術等での入院を想定していたため、3日以上連続して使うことが条件であった本制度を、がん治療等を想定し、1日単位で取得するようにするものである。次回制度改定時(来春)に導入の予定である。

 

風土づくり

  • 社員の病気については健康管理室が把握しており、がんに限らず社員が病気にかかると健康管理室に相談にいく風土はすでにできている。健康管理室では病気に関わる具体的な相談や不安事項の確認を行い、人事部からはサポートとなるよう会社の制度について説明を行う。実際にがんの手術や治療をしながら仕事を続けている社員はすでに多数おり、「がんに罹患したから会社を辞める」という発想は当社社員にはすでにない。

 

  • 私傷病での休みについて社員が理解しやすいように就業規則を見やすくまとめたハンドブックを作成し社員に公開したり、復職時の対応について、イントラで公開したりしている。

 

  • 社員の健康に対する意識啓発を目的とした講和等を開催している。17年度は対馬ルリ子女性ライフクリニックの対馬ルリ子医師を招き、女性社員に対する「キャリアと健康」をテーマにした勉強会を開催し、女性特有のがん(子宮がん、子宮頸がん、乳がん等)についての勉強をした。18年9月はNPO法事5yearsの大久保氏を迎え「がんと就労」をテーマにした講演会を本社にて開催した。

 

相談

上司に直接相談することも可能だが、本人が専門的な知識を持つ健康管理室の医療職に相談し、専門的な立場から上司に仕事上の配慮についてアドバイスをすることが多い。本人と上司のみではなく医療職が入ることで、上司が過度な配慮をしたり、本人が無理をしたりすることを防ぐことができる。人事担当、上司、産業医は連携し、治療の状況や体調など、その時々に合わせた配慮を行っている。また、必要に応じ本人同意の上、産業医が主治医と連絡を取ることもある。

 

その他

  • 本人が病状について正しく認識し、治療に前向きに取り組めるように、主治医から説明された事を産業医が聴取し、補足・アドバイスを行っている。本人からの希望や本人が伝える事が困難な場合には、本人同意の上、産業医から主治医へ連絡することもあるが、主治医に相談・確認した方がよいと産業医が思ったことについては、通常、本人を通して主治医に確認している。

 

  • 主治医から説明された手術や治療の副作用や、日常生活における注意点や制限をベースに、産業医が就業上の配慮を検討し、上司に伝えている。様子を見ながら徐々に制限を緩和するサポートも。

 

  • RC委員会にてがん発見や在職者死亡統計を報告している。また、がんを含む疾病休業については全社および各事業所の統計を安全衛生委員会で報告している。 

 

  • すでに治療を受けながら働き続けることは当社においては定着しているが、会社ががん罹患者のサポートを積極的に行っていることを社内外に周知することを目的に、社長によるメッセージ発信を予定している(社内報(電子版)及びホームページ)。

 

  • フレックスや半休を使用して、抗がん剤投与や放射線治療を行いながら勤務し、再発なく働いている社員も多くいる。本人の許可を取っていないため詳細は記載できないが、がん治療と就業を両立した社員それぞれにいろいろなエピソードがある。以下簡単にいくつかの事例を示す。

  〇治療後、海外赴任した社員

  〇自身の罹患経験からがん検診の重要性を認識し、周囲の社員に伝えている社員

  〇テレワークを利用しがんに罹患しながらも大きなプロジェクトから外れずに就業し続けた社員


>>2018年度がんアライ宣言・アワード応募企業の事例集はこちら

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