2018年度がんアライ宣言・アワード応募企業の事例集

   

日本航空株式会社の「がんと就労」施策【ゴールド受賞】

日本航空株式会社の「がんと就労」施策【ゴールド受賞】

第1回がんアライ宣言・アワードに寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:日本航空株式会社

事業内容:定期航空運送事業及び不定期航空運送事業など

従業員数: 12,127人

創業:1951年

ウェブサイト:https://www.jal.com/ja/

 

がんアライ宣言

私たちは、がん予防のための毎日の健康づくりとがん検診の受診率向上に取り組んでいきます。

取り組みの背景や特色

健康経営に取り組み始めたきっかけは、2010年の経営破綻。5万人近くいた社員を3万人まで削減して、残った社員も不安を抱えていた。社員が疲労困憊している状態では、航空会社として最高のサービスは提供できないため、会社を再生させるためには社員の心身の健康が一番大切と考えた。安全運航を実現するためにも、健康に対する取り組みは熱心に行っていましたが、改めて立ち戻り、がん予防等の施策を整備。

 

制度

【休業制度】

がんに罹患した社員は最大4年間(欠勤1年、休職3年)、会社に籍を置きながら休業できる社内の病気休業制度を利用し、治療に専念できる環境が整っている。

 

【復帰支援制度】

医学的に業務に復帰するのに問題がない程度に回復した社員が円滑に職場復帰し、その後も就業を継続できるよう「職場復帰支援」プログラムを定め、社員の復帰支援を行っている。具体的には①勤務時間は所定のほぼ80%以上就労が可能であること②勤務時間の制限は最長6ヵ月程度で解除できると予見されることを満たす社員を対象に主治医の診断書をもとに産業医、本人、職場上司、(必要に応じ)人事部と協議の上、復帰支援プランを作成(就業措置に関する意見書の発行)する仕組みが整備されている。

なお特に安全運航に密接にかかわる運航乗務員や客室乗務員については、6ヵ月を超える休業からの復帰の場合、健康管理部長や産業医、所属の部長等を構成メンバーとする復帰検討に関する諮問委員会を開催し、復帰可否や復帰支援プランを決定している。

 

【両立支援】

治療と就労を両立する施策として以下のとおり各種休暇の整備や柔軟な働き方を推進している。

 

  • 失効する年次有給休暇の積立(年度3日間を限度)や治療目的の特定目的積立休暇制度
  • 勤務時間帯選択制度(業務開始時間を7時から12時までの間で10パターンの中から選択可能)
  • コアタイム無しのフレックスタイム制度
  • 年次有給休暇の時間単位取得開始(2018年度より)
  • 在宅勤務を含むテレワーク制度(週2回まで)
  • 在宅勤務と半年休の組合わせや在宅勤務の分割(在宅勤務中に通院が可能)

 

風土づくり

【社長メッセージ】

経営破たんにより社員数が大幅に減少する中、当社が再生する原動力は「社員一人ひとりの心身の健康」であり、「誰一人として欠けてはならない総力戦」で再生に取り組んでいくことを経営TOPが明確に社内に宣言し、グループ全体で健康経営(がん予防含む)とダイバーシティ&インクルージョン(様々な社員の活躍支援と柔軟な働き方)を推進してきた。

 

【職場理解の浸透】

がんにより休業した社員が8割勤務で復帰する場合、先ずは同じ職場の社員に対して当該社員の就労支援について丁寧に説明し理解を求めるともに、人事部と調整の上、一時的な対応として人的補充や他部門からの業務支援等、他の社員へ極力負担がかからないよう必要な措置を柔軟に実施している。

 

【制度周知や健康リテラシ―の向上】

社内イントラ「みんなの活躍応援サイト」にて様々な働き方に関する制度の周知と利用促進を案内している。また役員・部課長、各職場の健康増進担当であるWellnessリーダーを招集して、外部講師による「喫煙対策セミナー」「女性の健康対策セミナー」等の各種健康セミナーを実施。煙草の害(受動喫煙含む)についての正しい知識やガン予防のための健診(婦人科含む)受診の促進等、健康リテラシ―向上を図っている。

 

相談

【豊富な医療職による相談体制】

健康管理部に常勤の産業医(精神科医含む)、看護師/保健師、カウンセラー、トレーナー等、豊富な医療職を配置してがん罹患に限らず幅広く社員の健康管理・相談に当たっている。

 

また「職場復帰支援」プログラムは①休業開始時、②休業中、③主治医による復帰可の診断、④産業医による復帰可の診断、⑤復帰後のフォローアップまでの各フェーズごとに必要なフォローを実施する仕組みとなっており、職場上司からの定期的な本人への連絡や産業医面談や健康相談、カウンセラーによるカウンセリングを通じて本人のニーズ等を把握し、所属部や人事部などの社内関係組織と共有する体制を敷いている。例えば休業明けの社員の主なニーズは復帰する職場、就業時間や業務量であり、産業医面談にて本人のニーズを確認の上、人事や職場上司とも共有しながら最大限配慮した復帰支援を実施している。

 

加えて経済的なサポートや予防的観点から健康保険組合とも連携の輪を広げ、更に社員が安心して療養し、復職してからも働き続けられる環境を整備している。

 

その他

【がん予防に関する取り組み】

レセプトデータを基に現状を分析し、特に対策が必要である①がん②生活習慣病③メンタルケア④たばこ対策⑤女性の健康の5つを重点施策とした健康増進計画「JAL Wellness 2020」を策定し、先ずはがんに罹患しないよう日々の健康増進に取り組んでいる。

またJAL Wellness 2020の内容や健診結果の見方、男女別ライフステージ・罹患リスク、がん・生活習慣病予防など各種情報を小冊子「JAL Wellness 2020 MY BOOK」に纏め、全社員に配布することで、社員の健康リテラシー向上に活用している。

 

【社員の声】

大切な人財が長く安心して就労できる環境づくりや体制・制度の整備も非常に重要であると捉え、がんを含む休業者に対して健康管理部・所属部・人事部等が一体となって復帰支援や復帰後のケアに取り組んできた結果、がん罹患から復帰後に治療との両立が困難で退職した社員は過去5年間発生していない。

また社員からも「制度や相談体制があることで孤独感が薄らいだ。また、復帰後に周囲の理解も得られ、皆に見守られながら復帰できているということがありがたかった」等の声が寄せられている。

 

>>2018年度がんアライ宣言・アワード応募企業の事例集はこちら

>>「がん罹患」が理由の退職はゼロ!経営破綻を機に取り組んだJALの健康経営

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